しなせてくれ
少女の後を追い走る私の体は以前よりも軽いように感じた。きっと私の体は本当はもう死んでいて魂だけだからこんなに軽いのだろうと思った。
その瞬間銃弾が頭を掠った。
「血が出た……痛いな」
だが
おかげで敵がどこにいるか分かった。
私は右の方向へと駆ける。
またしても意味が分からない光景が広がっていた。
3mを超える巨大な機械、それと戦っているのはさっきの少女だった。
「イリュージョン!」
そう少女が叫ぶと、いくつかの結晶が宙に現れ、機械を突き刺した。
私はしばらく何もできないでいたが、ライフルを構え、機械の関節部を撃った。
4発撃ったタイミングで機械の一本の足が壊れ、同時に機械のガトリングがこちらを向き貫いた。
「プロテクト」
少女が防護魔法を貼ったが、二発腹を貫き私は倒れた。
「よかった。ようやく死ねるか」
私はそうつぶやきまた視界は暗転した。
死ねなかった。さっきの小屋で私は少女に介抱されていた。
「はい。ふーですよ、熱いから、私が恥ずかしいから早く食べてください」
そうせかされながらシチューを食べる。
「ありがとう……」
名前を呼ぼうとして固まる。
「何て呼べばいい?私の名前は……」
「私はスノウ、あなたは?」
「名前が思い出せないからとりあえずは、あなたでいい」
私はそうつぶやいた。呟くほどの体力しかなかった。
よく見ると少女の後ろにはさっき助けた家族がいた。