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 店員は言った。


「ケット・シー」

「ケット・シー?って、あの猫か」

「そう、でもただの猫ではありません。喋れるのです」

「ああ、有名だよな」


 店員はなぜか驚いた。


「どうして?あの子たちは必死に隠しているはずなのに」


 隠している?俺は復唱した。


「あの種族は人間に身分をばらしてはならないのです」

「そんなの初耳で、ケット・シーは喋るのが人間界では普通になっているようだが?」


 この店員は本当に大丈夫なのだろうか。馬鹿じゃあるまいか。ケット・シーと話したことあるぞ俺。

俺のお父さんも、兄も、そんなのあたり前に知っているぞ。


「そんな馬鹿な、ケット・シーには内緒だといわれているのに」

「お前がばらしているんじゃないか、俺はそれ以前に知ってはいたが」

「あ、ありえるかも」

「馬鹿か」


 俺はあきれて、机を指で何度かつついた。


「ヴァル様、この男は馬鹿ではありません。そんなこといっちゃあ」

「なに、馬鹿だろうこんなの」


 横から茶々を入れるレヴァード。俺は店員に向き直った。


「まぁ、一泊二日この店で休ませてもらった。礼を言う」

「い、いえそんなこと。わぁ、はじめて言われた」


 レヴァードが肩を縦に震わせて、言う。


「ば、馬鹿もこんなに頑張っているんだな」

「お前が言うな」

「二人とも、失礼が過ぎるわ。ここはジプシールック様が一言・・・・・・」


 結局、ありがとうの一言で宿を出た。なかなかに強烈な奴だったな。




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