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仮面鍛冶士は今日も装備を作る ~Braves Beat~  作者: あきさけ
第一章 出会いは赤と紅に染まって
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11.ゲーム同好会、全員集合

 やってきた客はブレンだったようだ。

 それにしても……。

 

「ブレンか。ようこそ、俺の工房へ。よく来られたな」

「そこはダンさんに教えてもらって。……で、仕事中?」

「ああ、そうだ。……ついでだから、お前も顔合わせしておくか」

「え、なになに?」


 ブレンを連れて解体部屋へと移動する。

 そこには、ゲーム同好会のメンバーが揃っているわけで。


「……うん? 君は笹木君かな?」

「あ、ひょっとして三海先輩ですか? ってことは、ここにいるのってゲーム同好会の皆?」

「そういうことらしい。ついでだから、挨拶しておいたらどうだ? 俺は作業に戻るけど」

「ああ、エイト。どうせだから、彼にも赤妖精素材をお裾分けしようじゃないか」

「俺は構いませんが、いいんですか?」

「今日始めたばかりなんだろう? 先輩方からのプレゼントだと思ってもらえればオーケーだ」

「だってさ。よかったな、ブレン。このタイミングでやってきて」

「お? おお、よくわからないけど、ラッキーでいいのか?」

「ラッキーでいいだろうさ。エイトはこれから作業だから、こちらで話をしようじゃないか」


 ブレンをあちらに押し付け、俺は解体作業を再開する。

 持ち込まれた赤妖精の数は五匹。

 それを全部解体したので素材の数はかなりの量に上った。

 勿論、俺が解体した以上、素材としての品質は問題ない。


「……いや、問題ないというか、ほとんどが品質Aなのだがね」

「私たちがやると、よくても品質Cだよねー」

「うーん、スキルレベルの差だとはわかっているけど、なんとなく納得がいかないというか」

「エイト、解体するときのコツってなにかあるのか?」


 フォレスト先輩たちは手に入った素材の品質に悩んでいるが、ソード先輩はコツが聞きたいらしい。

 せっかくだし、教えておくか。


「解体して手に入る素材の品質を上げたいなら、解体ナイフへの投資は惜しんじゃダメですよ。消耗品ではありますけど、できる限りいいものを複数携行するように。先輩方、戦闘レベルは?」

「フォレストはレベル50、俺とブルーは40前半、レイが30くらいだ」

「……なら、レイには鋼くらいのナイフを。先輩方はもっと上位のナイフをですね」

「……解体ナイフって売ってるのか?」

「売ってますよ。あとで見せましょう」

「頼んだ。装備の更新はしっかりやってたけど、剥ぎ取り用のナイフまでは更新してなかったぜ」

「よくあるミスですね。……それじゃあ、俺は鍛冶道具を受け取ってきますので、少し待っていてください」


 先輩方を工房へ残し、道具職人のところへ。

 完成していた『赤妖精の鍛冶道具』を受け取って代金を支払う。

 そして、自分の工房に戻ったら、作る装備の相談だ。


「赤妖精シリーズを作るのはいいんですが、どんな装備を作ってほしいんです? ユニーク装備は作製にかかる時間も馬鹿にできないので、ある程度今日のうちに話を詰めておきたいんですが」

「……おや、そんなにかかるのかい? 知り合いの鍛冶職人に聞いたら、手間暇かけても三十分あれば作れる、と言っていたが」

「それは低ランクの間だけですね。……フォレスト先輩たちって装備大丈夫です? 実は低ランクだったってことはないですよね?」

「……うむ、なんとも言えないな」


 これは怪しい。

 ただ、今日は時間もないし、今度ゆっくり話を聞こう。


「それで、作ってほしい装備ってなんですか? そろそろ寝る時間なので、要望だけ聞いておきたいのですが」

「うむ。私は弓がほしい。普段はコンパウンドボウを使っているのだが、大丈夫だろうか?」

「コンパウンドボウですね。大丈夫ですよ。ブルー先輩は?」

「私は、メイスとタワーシールドかなー。私タンクだから」

「……それなら全身鎧も必要じゃないです?」

「うーん、あればほしい、かなー」

「じゃあメイスとタワーシールド、全身鎧で。ソード先輩は?」

「俺は片手剣と体防具、それから腕防具がほしいな」

「片手剣にアーマー、ガントレットですね。ブレンはどうする?」

「え、俺も作ってくれるの?」

「ついでだからな。とりあえず両手剣でいいか?」

「おう、よくわからないから任せた!」


 これで注文は取り終わったな。

 さて、あとは……。


「ねえねえ、私の注文は?」

「……レイは昨日作っただろう?」


 振り返るとふくれっ面のレイがいた。

 レイはすでにレイピアを持ってるんだし、いらないんじゃないかな。


「私だって、もっと赤妖精シリーズの装備がほしいんですー。だから、作製お願いします」

「……わかった。それで、なにがほしいんだ?」

「やった! えっと、ほしいのはティアラとバトルドレス、ブーツかな?」

「……ほぼ全身一式じゃないか。というか、ティアラは作れるけど、バトルドレスとブーツは外注になるぞ」

「え、そうなの?」

「布と革装備は別職人の領分だ。……まあ、俺もほしい装備はあるから、明日にでも紹介するよ」

「む、革装備の話か。私もレザーアーマー一式を頼みたいんだが」

「わかりました。……ただ、手土産として、赤妖精を二~三匹狩っておいてくれると助かります」

「よしわかった。明日ここに来る前に倒しておこう」


 これで注文の受付は終了かな。


「……それじゃあ、注文も受け終わったし、引き渡しは……完成次第でいいですかね? ひとつ二時間なので作るのに数日かかりますから」

「了解した。できればブルーの装備を優先してくれ。タンクが頑丈でないと戦闘が大変だからな」

「了解しました。……そういえば、レイ。今日の素材でレイピアの打ち直し……つまり強化ができるけどどうする?」

「それは是非にお願いします!」

「わかった。すぐに終わるから、レイピアを貸してくれ」


 レイからレイピアと素材を受け取り作業場へと移動する。

 そこでささっと強化処理を施し、十分ほどで作業場から出てきた。


「ほい、完成したぞ」

「うわぁ。ありがとう! なんだか昨日よりもピカピカ光ってる!」

「……本当だな。このエフェクトってどうにかならないのか?」

「俺は消し方を知らないので、そちらで運営に確認するなりしてください。それじゃあ、そろそろ店じまいにするので」

「ああ、わかった。今日はお邪魔したな。装備、楽しみに待っているよ」

「ええ、それじゃあ、また」


 五人を見送り、玄関の鍵をかけて店じまいは終了。

 さあ、早くログアウトして寝よう。

いつもお読みいただきありがとうございます。

毎回の誤字報告本当に助かっています。

感想もありましたらよろしくお願いします。



~あとがきのあとがき~



このゲームにおける戦闘レベルの話。

キャラレベル制ではないので、メインとして使っているスキルのレベルということになります。

フォレストがレベル50=弓スキルのレベルが50ですね。

また、HPは基本的に10,000で固定です。

(特定スキルを使用していると10,000以上のHPになることもある)

また、さまざまなスキル(魔法も含む)を使うためにはTPテクニカルポイントが必要であり、テクニカルポイントの上限も10,000です。


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