アナタノタメニ
掲載日:2019/12/04
ひとつの家族の物語。
息子が13歳の誕生日を迎えたその日、私は愛情込めて自作のケーキを作成した。その出来映えは呆SNSに上げれば『いいね』間違い無しの見た目をしており、自分でも惚れ惚れする。
写真を何枚かおさめ、私は専用の包丁でケーキを切り分けた。
ひとつひとつのサイズがかなり大きめだが二人暮らしだとどんなお料理でもこのくらいの量が当然になるのだ、仕方がない。
「フフ、喜んでくれるかしら?」
切り分けた大きなケーキのうちさらにいちばんおおきなそれに、この日のために買い付けたそれで、息子の名前を書いて言葉を漏らす。
噂をすればなんとやら、ガチャリ、ドアが開く音がした。
「りゅうちゃん!おかえりなさい!約束のケーキが今できましたよ!」
次の日、息子は死んだ。
私が、殺した。
解説。
主人公の私が息子を毒入りケーキで殺害するお話。
りゅうちゃん 息子ではなく愛人の名前。
この日のために買い付けたそれ 毒。
二人暮らし 現在ではなく将来(息子を殺したあと)を見据えて。
愛情込めて 愛人への愛情を込めて
約束 愛人との息子を殺す約束。
結論。
二人の花園を築くために息子を殺した。
あなた(愛人)のために




