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被験者291号  作者: Projectk
5/5

5 能力と口論

バトルがかけませんでした。


柏木の人格が急変したのに気づいた赤坂は話しかける。

「大丈夫か柏木」

「気安く話しかけるなあんた。私はあなたの友達なんかではない。敵よ敵」

柏木は大きな声を出す。さっきまでの優しい声は暴力的になってしまう。

「そういうな玲奈。落ち着け」

そういう氷埼が言うと、柏木は衝撃的な言葉を発言する。

「あんた達に何が分かる!」

「はあ?」

柏木は言葉を連発し始める。

「あんた達は何も知らない。友達に何があったか。どうしてこうなったか。どうして私が生まれたかどうしてここに来たか。そんなのわからないだろうが!」

柏木は泣ながら言う。

赤坂と氷埼はただ柏木の話を聞くことしかできない。

言葉が出せない。出してはいけない状況である。

「私は失言をしてしまったみたいだね」

「何が失言だよ」

赤坂は尋ねる。

「今から分解してやる。お前らの「体」と「人間関係」をな」

「意味わかんねえこと言ってんじゃねえ玲奈。俺らは、親友だろうが」

まだ二日もたっていないけど、赤坂達は、仲がいい。幼馴染のように。

「うるさい!。黙って私に分解させろ」

そうして柏木、いやもう一人の柏木はベッドに手を触れる。

「私の「能力」は「分解」物質を触れれば分解できる。素晴らしいでしょ」

「何言ってんだよ柏木。「能力」なんてあるはずねえだろ」

赤坂は笑わずに柏木に視線を向ける。

「いいよ。見せてあげる」

途端。

ベッドの。

シートに。

穴が。

空いた。

「柏木まさか」

「私がやったの」

本当に能力がある。

そう男二人は確信した。

否、一人は。

「ほらわかったでしょ」

何もいうことができない二人がいた。

否、一人が。

「柏木、お前本当にやる気か」

「もういいのあなたたちには玲奈は救えない」

そうして柏木は赤坂に近づいた。

絶対絶命の状態。

闘っても無謀に近い。

なぜなら、手で触れたものを分解してしまう。

どうしようもない。

しかし、赤坂にはまだ勝つ方法があった。

柏木にはあって、赤坂にはまだない。

能力が。

柏木が赤坂に近いてくる時、声が聞こえた。

「キケ、291ゴウ」

歪んだ声が聞こえる。

「291ゴウ。ノウリョクはハカイ。ブッシツノハカイ、ナラビニイチジテキナノウリョクノハカイ。タダシクツカエ」

赤坂には聞こえた。

歪んだ声が。

そして言われるがままに振舞った。

「運動神経の一時的な破壊」

そう赤坂が言った。

氷崎には変化が無かった。

しかし、柏木にはあった。

「なんで。なんで足が動かないの」

歩いていた柏木は床に転び落ちそこから足そして手が動かない状態となっていた。

「口だけは動かせる様にした」

「何をしたの」

柏木は質問する。

「僕のどっかから声が聞こえた。僕の能力は破壊だと」

赤坂も自分自身の能力を知った。

「じゃあ、柏木、話してくれ」

「な、何を」

柏木は怯えていた。

自分が自分自身を守れそうにないと思ってしまった。

これから起こることに恐怖を感じた。

「柏木の過去だよ」

そこで、一言も話していなかった氷崎が話しだす。

「そこまで強制しなくてもいいんじゃないか赤坂」

柏木をかばう様に言った。

「理解者は一人じゃなくていい、何人いたっていいだ。これから隠しあって暮らすなんて互いにいやじゃないか」

「かわいそうじゃないか!柏木はきっと真実を伝えたら傷つくはず。そう思わないか」

赤坂は黙らなかった。

「そんなことはない。心を打ち明けることは本当に楽になるんだ!」

強く言った。

「お前はそんなやつだったのか。人の心をもっと読め!」

強く言った。

そこで、柏木は言う。

「わかった。私はもういうよ。私の過去を・・・」

部屋の空気は変わった。

暗く残酷な空気に、たった一人の少年のせいで。





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