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第1章 助さん格さんより背が高い――測定値170cm・75kgの御老公
後年の水戸藩士溝口翠涛がまとめた『烈公畧伝』には、光圀の体格を「身長五尺六寸余、膂力人に勝る」と記す。五尺六寸余は曲尺計算で約170cm。体重は衣料調達記録に「御羽織新調、丈四尺八寸、幅三尺二寸、布地秤七貫目二百匁」とあり、羽織布重量から逆算すると凡そ75kg。
小説で創作された家臣の、助さん(佐々木助三郎)、格さん(渥美格之進)を当時の平均身長よりも5~10cm高い「五尺四寸(163cm)」としても、御老公の方が断然に背が高い。江戸男児平均も155cm前後だから、光圀は頭一つ抜ける長身だった。行列では杖ではなく目印代わりに“見越しの御老公”だったわけだ。
ついでに「ちゃっかりハンサム」でもある。寛文期に江戸商人が描いた『諸国殿様似顔絵』は光圀を「痩顔長身、眉太く蒼眼」と描写し、当時流行の“胡国風”で女性人気が高かったと注釈する。




