第10話:おっさんの帰還、そして伝説に
魔王城の頂上、巨大な闇の間に立つ正一と仲間たち。
魔王は最後の力を振り絞り、圧倒的な力で襲いかかる。
「ちょっと待て、これ…!」
アルトは剣を振るうが、攻撃は魔王の防御に跳ね返される。
しかし、正一はいつも通り自然に体が動く。
・ 落ちていた装飾柱を盾代わりに
・ 転がる石で魔王の足元を崩す
・ 偶然の連続で魔王を追い詰める
「ちょ、俺また勝っちゃうのか…」
正一自身も信じられない動きで、魔王はついに膝をついた。
「…参った…おっさん…強すぎる…」
魔王は力尽き、闇の城に静寂が訪れる。
アルトは息を切らしながら正一を見上げた。
「正一さん…あなたがいたから勝てました!」
正一は汗だくで笑い、頭をかく。
「いや、偶然だ…でも、まあ…役に立てたならそれでいいか」
その夜、村に戻ると、村人たちが歓声で迎えた。
「正一おじさん、魔王を倒したんですね!」
子どもたちも目を輝かせる。
正一は微笑みながら、村人たちの手を握った。
「ありがとう…俺はただの定年退職者だけど、みんなが笑ってくれればそれで十分だ」
数日後、正一は光に包まれ、元の世界に戻ることとなった。
自宅のソファに倒れ込むと、家族が心配そうに声をかける。
「正一さん、大丈夫?」
「ええ…ちょっと疲れただけだ」
正一は目を閉じ、異世界での冒険を思い返す。
しかし、異世界の人々にとって、正一の伝説は永遠に残った。
「勇者じゃないおっさん…だけど、最強だった」
「人生経験こそ、真の力だ」
正一は小さく笑いながら、ソファで腕を伸ばした。
「まだまだ現役だな…俺」
こうして、定年退職したおっさんの異世界無双伝説は幕を閉じた――
だが、伝説は語り継がれ、世界のどこかで、再びおっさんが冒険する日を待っているのであった。
--完--




