放し飼いの提案
新たにモンスターテイムで僕に懐いたショウにミアがエサを用意してくれた。ミアはエサの勉強をしてくれてコカトリスであるショウのエサを正しく提供できたのだ。僕がミアにお礼の言葉を述べているとゲインがやって来て、父が帰って来たのでショウの事と、今回の演習が中止になった事を説明して欲しいそうだ。
ホップンとショウがエサを食べ終えると僕はホップン達に呼びかけて移動を開始する。
「それじゃあ行こうかホップン、ショウ、テールにも知らせないといけないからね」
「ニック様、片づけは私がしておきますので早くガリアス様のところにいってらっしゃいませ」
「頼むよミア、まずはテールにも知らせないとね」
まずはテールだな、屋敷に用意してある部屋で休んでいるはずだし、声をかけるか。そう考え僕はまずテールの部屋までホップン達と共に移動し、部屋の前に着くと扉をノックして中にいるテールに声をかける。
「テール、いいかい?」
「ニック様いかがされましたか?」
「父上がお戻りになったんだって、ショウの事と演習の中止の事をテールと一緒に説明してもらいたいんだって」
「そうですか、分かりました、参りましょうか」
僕とテールはそのまま父の部屋まで向かい、部屋に到着すると僕は部屋の扉をノックし、父に声をかける。
「父上、ニックにございます。テールも一緒です」
「入れ」
父に促されて僕とテールは部屋に入り、ホップンとショウも入室する。
「ニック、テール、まずは良く戻った、そして今回も見事に魔物を追い払ってくれた。称賛に値するぞ」
「はっ!もったいなきお言葉恐悦至極に存じます!」
「そしてニックよ、そのコカトリスがショウだな?」
「はい、今回もモンスターテイムで群れのリーダーと思われる魔物を手懐けて危機を脱しました」
とりあえずまずはショウについての説明を行い、父はそれについて返答をする。
「コカトリスは自ら巣を作る魔物であるから、ホップンとは違い庭で暮らしても問題なさそうではあるな」
「父上、これを機にホップンも庭で過ごしてもらうのはいかがでしょうか?」
「キュン?」
「ほう、何故そうするか理由をきかせてくれ」
「はい、ホップンも元々はキレ野生の魔物ですし、少し自由に動かせたほうが身体のキレが鋭くなりますし、今後の戦闘に役立つかと」
庭で放し飼いしてもホップンなら勝手に出ていく事はないと今なら確信できるし、門番の役割も担ってもらおう外にいた方が研ぎ澄まされそうだし。
「うむ、ホップンもそれでよいのか?」
「……キュン!キュン!」
どうやらホップンも庭で過ごす事を望んでいるようだ。次は演習の説明だな。




