エサの勉強
新しい仲間であるコカトリスのショウの為にエサを用意してもらおうとミアにお願いしたらホップンの時は何が欲しいか尋ねたが、ショウの好きな物は聞かずにまた厨房に戻った。
何か他の使用人に聞いているようだな、あ、保管庫から何か取り出してきたぞ。
「お待たせしましたニック様、ホップンにはいつもの野菜の葉で、ショウはコカトリスですよね、それなら小麦を食べてもらってください」
「ねえ、ミアどうしてショウの主食が分かったの?実際にショウは食べてはいるけどさ」
「あの、実は……ですね、きっとこれからニック様は魔物を多く手懐けると思いまして、それでですね……」
どこか説明がたどたどしいミアだったが、そこにキャシーがやって来て、僕に声をかけてきた。
「お帰りなさいませニック様、あ、事情は夫より聞いております、ミアはですね、すぐにエサが用意できるよう魔物の主食について勉強していたんですよ」
「そうなのミア⁉」
「はい、ニック様は魔物を手懐けていますので、魔物のエサは必要だと思いまして、まずはその領地内に多くいる魔物の事から勉強していたんですが……」
「それでショウに聞かずにショウの主食が用意できたんだね、ありがとうねミア」
僕がミアにお礼の言葉を言うと、更にミアは照れ臭そうに言葉を発する。
「ニック様はお稽古やお勉強、時々はこうやって戦場にも行かれますし、少しでもニック様のお手を煩わせないようにはこういう事しかできませんから私は」
「十分だよ!だってさミアは使用人の仕事に加えてファルのお付きでもあるんでしょう!その合間でもこうやって勉強してくれているんだし、僕もホップンもショウも嬉しいよ」
「ありがとうございます、ニック様にそう言っていただけただけでも嬉しいです」
ミアが僕の発言に感激していると、そこにゲインが現れて声をかけてくる。
「ニック様ーーーー!」
「ゲイン」
「あんた」
「お父さん」
ゲインの姿に反応を示すと、ゲインが僕に用件を話してきた。
「こちらにいらしたのですね、ニック様、ガリアス様がお帰りになり、そのコカトリスのショウの事と、演習中止の話を詳しくお聞きしたいとおっしゃっていました」
「そうか、分かったよ、ホップン、ショウ食べ終わったら行くよ」
「キュン」
「ガーー」
「テール様もお連れして欲しいとの事にございます」
「ああ、テールにも知らせておくよ、食べ終わったか、行こうかホップン、ショウ、ありがとうねミア」
「いえ、それじゃあ私は夕食の準備に戻ります」
ショウもうちで面倒を見る事ができればいいんだけどな。




