ミアを探して
屋敷に戻った僕はホップン、そして新たに仲間になったショウのエサを用意してもらう為にミアを探す事とした。
ゲインによればミアは今は屋敷内の仕事をしているとの事だが、使用人の屋敷内の仕事と言うと、お客様対応、掃除、洗濯、料理、それから手紙等の保管や贈り物の確認、さらにミアは今はファルのお付きになっているしな。そうだ、それならまずファルに聞いてみよう!
早速僕はまずはファルの部屋に行き、扉をノックして反応をうかがう。
「どちら様でしょうか?」
「ニックだよ、ちょっと部屋に入ってもいいかな」
「ニック様でしたか、どうぞお入りください」
ファルの声でもミアの声でもない、今日は別の使用人が付いているのか。
「入るよ」
「兄上!お帰りなさい、あれ?でも今日はええっとぐんじ……」
「軍事演習ね、ちょっと事情があって早めに終わったんだよ」
「そうなのですか、あ!兄上、その鳥さんは?新しいお友達?」
やっぱりファルはショウに反応して、しかもちゃんと友達と認識してくれている。これはありがたいな。
「そうなんだ、コカトリスのショウだよ!」
「よろしくね、ショウ!ファルだよ」
「ガーー」
お、ショウもファルに懐かれて嬉しそうだな、そう考えていると今日ファルについている使用人に尋ねられる。
「あの、ニック様恐れながらお尋ねしますが、ご用件はこのコカトリスをファル様にご紹介する事にございますか?」
「あ、そうだミアがどこにいるか分からないかな、ホップンとショウのエサを用意してもらおうと思ってさ」
「ミアにございますか?今頃は他の使用人と一緒に夕食の準備をしていると思いますが」
「そうか、ありがとう、みんなの夕食も大事だけど、彼らはお腹が今空いているからね」
ホップンとショウには昨日から満足に食べさせていないからね、特にショウは鳥だし、また別のエサが必要そうだからね。
とりあえずまずはミアがいるであろう屋敷の厨房に行ってみよう、そこで何かもらえばいいからね。
厨房に着くと、ミアの姿が見えたので僕はとりあえず声をかける。
「ミア!」
「ニック様!軍事演習ではなかったのですか?」
「中止になって、早めに戻って来たんだ、ちょっとお願いしたい事があるんだけどいいかな?」
「はい、あ、すいませんこの続きお願いします」
他の使用人に自分の仕事の続きを任せてミアが駆け寄ってくると、まずはショウに反応をする。
「ニック様、その魔物、もしかしてまた手懐けたんですか?」
「ははは、まあね、それでミア、ホップンとこのコカトリスのショウのエサをもらいたいんだけど」
そう言うと、ミアはまた厨房に戻っていった、あれショウの食べられるものを聞かなかったな?どういうことだ?




