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命名したら

 テールの部隊に所属する負傷者の治療を終えて、オリビン卿の館まで戻ろうと移動する準備を始めるとコールが僕に話しかけてきた。


「ニック様、そういえばこのコカトリスに名前を付けるっておっしゃっていましたけど、いつつけるんっスか?」

「そうだね、ホップンは見た目と跳ね具合からそういう名前にしたけど、このコカトリスはどうしようかな?」


 コカトリスの見た目はニワトリに似ているからな、うーーん、コケコッコ?いやいや、さすがにもう少し真面目に考えないと。ホップンは可愛い感じだし、少しカッコいい名前にしてあげようかな。……よし、それならこれでどうだろう。


「みんな、聞いて、今コカトリスの名前を付けたから発表するよ」

「何て名にしたのですか?」

「さぞ良いお名前なのでしょうね」

「さ、早く教えてくださいよ」

「キュン」


 みんながコカトリスの名前の発表を今か今かと待っている、君の名前はこれだ!


「このコカトリスにはショウって名付けようと思うけどどうかな?」

「ショウですか、良いと思いますよ」

「ええ、私も良いと思います」

「ホップン良かったな、お前の仲間ができたぞ」

「キュン!」


 みんながショウという名前を聞いて、その名前を絶賛してくると嬉しかったのかショウが鳴き声を発した。


「ガーーーー!」

「ショウ、ショウもこの名前で嬉しいのか?」

「ガー」

「名付けてくれてありがとうだってさ」


 ショウも鳴き声で僕に対して喜びと共にお礼を言ってくれた。これは嬉しいな。


「テール様、出発の準備が整いました、ケガ人もいるので少し行軍速度は落ちてしまいますが、そろそろ参りましょう」

「ええ、分かったわ、ニック様参りましょう」

「うん」


 移動準備が整い、僕達はオリビン卿の館を目指して行軍を開始した。ケガ人がいるので速度は多少落ちてしまうけど、安全にたどり着かないとね。


 周囲を警戒しながら移動するが、敵からの襲撃はなく、無事に館までたどりつき、兵を解散させて、テールは僕と一緒に父であるオリビン卿の執務室に報告に向かう事になり、オリビア達は別室で待ってもらう事となった。


「父上、ただいま戻りました、ニック様もご無事です」

「戻ったか、ニック様、こたびの演習でニック様にも軍事的な事を学んでいただこうと思いましたが、このような事になり申し訳ありません」

「仕方ないよ、どうにも最近領内になにかはびこっているようだし」

「領内には十分な警備体制を敷いているはずなのですが、何が起きているのか……」


 クッキ領は広大な土地であり、十分な兵もいるはずだけど、ことごとく侵入者を許している。一体どうすれば?

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