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将の資質

 クッキ領内にあるガニアン卿が任されている土地に到着した僕達は早速、ここからの事を話し合った。


「ニック様、今回はニック様の初陣という事でガリアス様に許可を頂きましたが、あくまでもニック様の目的は視察と魔物との戦闘がどのように行われるかを学んでいただく事にあります」

「うん」

「ですが我々としてはニック様の安全が第一にありますので、前線には私が指揮する兵が立ちます」

「分かった、僕はあくまでも視察と勉強だね」


 僕は安全を確保しながら視察と勉強か、初陣と言えるかどうか微妙に感じて来たけど、父もあくまでも儀式的なものだって言ってたしな。


「とはいえ、ニック様、必要とあらば我らにも指揮をくだされ、ニック様の身をお守りする事が第一ですが、我らにとっても武功を上げる機会ですからね」

「武功?どういう事が武功になるのかな?」

「まあ、今回の場合だと魔物を討ち取る事ですかな」

「そうか、だけどゲイン、ゲインやみんなはあくまでも僕を守る事をしっかりするよう言われているんだろう、だったら僕がみんなのおかげで守られたと父上に話しておくよ」


 ゲインや他の兵士はやっぱり武功を上げて褒美をもらったり出世を望んでいるんだな。はやる気持ちは分かるが、しっかりと役目を果たしてもらわないとと思って声をかけるとゲインは突如他の兵と共に感激をする。


「ニック様、我らへのお心遣い感謝いたしますぞ!いやはや少々血気にはやりすぎましたな、皆の者、なんとしても全力でニック様をお守りするぞ!」

「おおおおお!」

「ニック様、ご帰還の際は我らに泥をかぶせください、ニック様のお言葉の真実性が増すかと思います」

「え?そ、それは……」


 泥をかぶらせろか、それは頑張りました感を出す為なんだろうけど大丈夫かなと思っていると、テールが僕に声をかけてきた。


「ニック様、兵の士気をこういった形であげるとはお見事です」

「え、そ、そうなの?」

「ひとえに将といっても様々な者がおります、ニック様は兵の心を掴んで戦いへの士気を高める才があるかと私は思います」

「そ、そうかなみんな武功が欲しがっていたし」

「その心理を刺激されたことが優れた将の資質です、ガリアス様は優れた作戦や前面で戦う事で兵の士気を上げていましたが、ニック様はまた違った将になりそうですね」


 ははは、何だろう親子で血は繋がっているはずだけど、違うタイプって言われるのは僕の思考がかなり前世で学んだことの影響が大きいのかな?

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