向かう途中で
テールの部隊を急襲した魔物の群れは統制がとれており、前回の僕の初陣で現れた魔物の群れに近いとコールから聞いた僕はオリビアやホップン、それから私兵を伴いテールの救援に向かった。
「とりあえずコールには先に戻ってもらって僕達が救援に向かう事をテールに伝えてもらうけど……」
「私達も急ぎましょう、ニック様がお助けに来ると分かればテール様達も希望が持てます」
「ああ、そうだね、ホップン飛ばすからしっかり捕まっていてよ!」
「キュン!」
その必要はない?そう僕に言うと、ホップンは僕の膝から降りて身体を光らせた。
「キュン!キュン!」
「え、これで速く動けるって⁉分かった、行くよホップン!」
「キュン!」
ホップンの身体がすごく光っており、速さも馬と同等、いや、馬すらも簡単に追い抜いていった。
「すごい!ホップンにあんな能力があったなんて」
「ニック様、あれはコールの神速スキルです、多分コールのスキルを見て覚えたのでしょう」
「何だって⁉ホップン、一体君は?」
まさかホップンがコールの神速スキルを見て覚えるなんて、そのすごさに僕は驚いているが、とりあえず今はテールを助けに行かないといけない。
「だけど、この間のガニアン卿の時より兵は多く連れているはずだ、それでも救援が必要なんて……」
「コールはコカトリスの群れだと言ってました、テール様の部隊に対空戦の装備がなければ苦戦は必至かと」
「だけど、僕達も対空戦の装備はないしな、一体どうすれば」
「私の魔法ならば空の相手にも有効です、お任せください」
そうだオリビアは魔法が得意だったはず、それならば対処できるぞ。
「ですが敵の数によっては殲滅は困難でしょうし、やはり最後は……」
「分かっている、僕のモンスターテイムだな、そこは任せてよ」
「はい」
僕とオリビアが話していると、そこに先遣していた兵が戻って来て、状況の報告をする。
「ニック様、この先でテール様の部隊が魔物と戦闘をしております!」
「戦況は⁉」
「はっ!兵は負傷者が続出、コール様も合流し戦闘に加わっておりますが、有効打はない模様」
「さすがにコールでも空中の相手には分が悪いか、ホップンは?」
「はっ!ホップンは跳躍力を駆使し、コカトリスの群れを数体撃破しております」
ホップン、そういえばあまりまともに戦闘させていなかったけど、元々戦闘用の訓練をさせられていたし、強いんだな。
「ですが、跳躍にはやはり無理があり、少しづつ疲れが見えております!」
ホップン、テール、コール、もう少し頑張ってくれ、僕達がもうすぐ行くから。




