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閑話 合流したコール

 ニックの命を受け、コールはテールの部隊を目指し、近くの将兵に声をかける。


「ど、どうも……」

「ん?貴様何奴だ?」

「あ、俺はニック様の従士でニック様のご命令でテール様の部隊に入るよう言われて」

「ニック様の従士だと?それが単独でのこのこと来るわけなかろう」


 コールが声をかけた男はどうもテールの指揮する部隊の中でも地位の高そうな男でニックの従士が単独で現れないと一蹴しようとするがそこにテールが現れる。


「ん?コール、コールなのどうしてここに?ニック様は?」

「テール様この者をご存じで?」

「ええ、彼はニック様の従士でコール・ガニアンよ。でもコールどうしてここに来たの」

「実は……」


 とりあえず別の将がいる為ニックの真意は伏せながらも想定外の事態が発生した際に伝令役とは別に神速スキルを持つ自分が連絡要員を任じられた事をコールは伝えた。


「そういうわけっス、オリビン卿からも許可はいただいているのでよろしくお願いするっス」

「そうでしたか、先程は失礼いたしました、ではコール様の事を手分けして周知させておきます」


 将はコールを不審者扱いした事を謝罪し、他の将兵にも周知するようその場を離れる。将が離れるとテールはコールにどういう事か改めて問い直す。


「それでコール、どうしてニック様はあなたを私の部隊に編入させたの?いくらなんでも連絡要員としてだけではないでしょう」

「ニック様、結構心配してましたよ、テール様が今回初めてこれだけの部隊を指揮するからって」

「ニック様が……私の心配よりご自身の学びの方が大事だと言うのに……」

「まあ、ご自分が行けないから俺に頼んだんですけどね」


 コールはニックが心配していた事をテールに告げ、オリビン卿の指揮を学ぶため、テールの様子は見れない為、コールに確認をお願いした事を話したのだ。


「……コール、ニック様やあなたのお気持ちには感謝するわ、でも私はここでしっかりと指揮能力を見せて、ニック様のお役に立つところを示す必要があるわ」

「分かってるっス、俺はあくまで戦闘、そしていざとなったらオリビン卿やニック様にお知らせする役目っス」

「お願いね、でもそんな手を煩わせないように力を尽くすから」


 テールとコールが話し終えると先程の将が戻って来て、テール達に告げる。


「テール様、コール様の編入の周知と出撃準備が整いました」

「そう、それじゃあ早速出撃しましょう」

「それでコール様の役割は連絡要員だけにございますか?」

「いえ、私の護衛役もしてもらうわ」


 テールの部隊も準備が整った。いよいよ演習開始だ!

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