賛辞の言葉
王城より久しぶりにクッキ領の屋敷に戻った僕は、母の提案で屋敷のみんなに護衛騎士認定のお祝い会を開いてもらっていた。
今回のメインという事で、僕はミアに促されてみんなの前で挨拶をする事になった。
「ええっと、まずは母上、お祝いの提案ありがとうございます。それから今回の護衛騎士認定は私1人の力ではなく、テールやオリビア、コールの助力も大きかったので、彼らにも賛辞の言葉をどうかみなさんお願いします」
僕はテール達にも賛辞の言葉をかけるようその場の人にお願いすると、まずは父がテール達に言葉をかけた。
「うむ、テール、オリビア、コール、この度は大儀であったぞ」
「はっ!もったいなきお言葉」
「ありがたきお言葉、感謝いたします」
「ニック様の従士たる我らにとっては当然の事です」
テール達が父の賛辞の言葉に対して感謝の言葉を述べていると、父は更に他の人達にも呼びかける。
「さあ、みなもテール達を称えてやってくれ」
「テール、いつもニックを見てくれているけど、今回は特にありがとうね」
「テールもオリビアもコールも、ホップンもみんな兄上の為に頑張ってくれてありがとう」
「せ、僭越ながら私も、テール様達のお支えはニック様にとって助かっているので、私からは賛辞と言うより感謝の言葉を申させてください」
一斉にいろんな人から賛辞の言葉を言われたのか、テール達もどこか照れ臭そうだ。
「み、皆様ありがとうございます、ミアもいつもニック様の身の回りの事ご苦労様」
「これほど褒められたことはないので照れ臭くありますね」
「はい、俺もこんなには……」
3人が照れ臭そうにしていると、再度父がみんなに呼びかける。
「さあ、みな、席に戻りお祝い会の続きをするぞ。ミア、進行を頼む」
「はい、それではニック様、ニック様もお席についてください」
「うん」
僕が席に着くつと、それぞれが飲み物を持ち、ミアが父に乾杯の音頭を促す。
「それではガリアス様、乾杯の音頭をお願いします」
「うむ、此度は我が嫡子ニックがフレア王女殿下のお眼鏡にかない護衛騎士に任じられた。父としては誇らしくもある。だが、ニックの本文は我が領地を継ぎ、そこに住まう者らの為に働いてもらわねばならぬので忘れなきことを願う。それでは本日はニックならびにその従者に乾杯を捧ぐ!乾杯!」
父の乾杯を受け、みんなが乾杯をするとミアがみんなに声をかけた。
「皆様、どうかお楽しみください、お料理はたくさんありますので、必要な方はお申し付けください」
みんな料理やお酒を楽しんでいるな。さあ、ホップンにも美味しいものを食べてもらおうっと。