ホップンへの疑問
僕達は久しぶりにクッキ領内のお屋敷に戻り、留守を預かっていた人達から出迎えられて入り、それぞれの部屋に戻っていこうとすると、ミアが一同に呼びかけた。
「あ、皆様、本日はマリアン様のご提案でニック様の特別護衛騎士認定のお祝い会を開催する事になりましたので、準備ができ次第お呼びするのでそれまでごゆっくりとお休みください」
「そうなんだ、母上、私の為に……」
「ええ、文が届いた時から考えていたので、さあ、ニックやみんなは準備ができるまでしっかりとお休みになってね」
「はい」
僕の特別護衛騎士認定のお祝い会を開く事となっており、それを聞いた僕達はそれぞれの部屋に改めて戻って行った。
久しぶりに自室に戻った僕は王城で泊まった客室との違いを実感した。
「やっぱり小さいな……でもまあ自分の部屋が落ち着くな」
久しぶりの自分の部屋を見渡した僕はきっちりと掃除がされていることを感じてとても感心していた。
「しっかりと掃除されているな、多分ミアがやってくれたんだろうな、ファルのお世話も大変だったろうに」
今までミアはうちの使用人見習いであったが、父よりその働きぶりを認められ、見習いを卒業し、正式にうちの使用人として雇うことになったんだ。その際にファルのお付きにも任じられたのだ。
一応今までも個人的にファルの事は可愛がってくれていたけど、今後はファルの髪型のセットなり外出の際の服装選びなど、ファルを公爵家の娘として外に出しても恥ずかしくないように気をつけなくてはいけないんだ。
いきなり責任重大になったにも関わらず、よくやってくれているな本当に。
「キュン!キュン!」
「あ、もしかしてホップンも僕の部屋の中の方が落ち着くんだ?」
「キュン!」
「ははは、やっぱりそうだ」
ホップンも僕の部屋の方が落ち着くらしく、その喜びをホップンなりに目一杯表現しており、僕も嬉しかったけど、今までホップンに抱いていた疑問を少しぶつける事としてみた。
「ねえホップン、実は前からホップンに聞いてみたい事があったんだ?」
「キュン?」
「ホップンはさ、その友達が欲しくない?」
「キュン?キュンキュン!」
あ、どうやらこの聞き方はあまり良くなかったようだ。もう少し噛み砕かないとな。
「いや、テールやオリビア、コールを友達と思ってくれているのは嬉しいんだけど、僕はホップンに、その魔物の友達ができないかなと思っているんだ?」
「キュン?」
「僕のスキルを使えば、きっと君の仲間を作れることはできるはずだ、もちろん仲良くできるかどうかは君とその魔物次第だけどさ」
「キューーーン?」
少し悩んでそうだな、何かネックでもあるのかな?