久しぶりの屋敷
王城を馬車で発ち、久しぶりのクッキ領に入り、屋敷も近づいていた。
「ニック様、間もなくお屋敷です、降りる準備を」
「ああ、分かったよ、父上の馬車は先行しているし、あ!降りているな」
「ニック様、マリアン様やファル様も既にお出迎えしていますね」
「本当だ、母上やファルに会うのも久しぶりだなあ」
久しぶりに母やファルに会う事になる。そう思うくらい屋敷から離れていたんだな。そう考えていると僕の乗っている馬車も停車し、テールに手を引かれながら馬車から降り、まず僕は母に声をかける。
「母上、ニック、ただいま戻りました」
「お帰りなさい、ニック、そこまで離れていたわけではないのに、少したくましくなったような気がしますが」
「マリアン、文にも書いたがニックはフレア王女殿下の護衛騎士に選ばれたのだ」
「そうでしたね、王女殿下のお眼鏡にかなうとは、ニック、素晴らしいですね」
母が僕をすごく褒めてくれている、嬉しいけど、僕だけの力じゃない事も言っておかないとな。
「母上、こたびの件は私1人の力ではなく、テールやコールが私を鍛え上げてくれたおかげなのです」
「まあ、そうなの、テール、コール、なんとお礼を申し上げれば良いか」
「おそれながら、こたびの件はニック様のお力と努力の賜物にございます、我らは少々助力したにすぎません」
「そうですよ、あのカール団長をひるませるなんてなかなかできないっスよ」
母がテールやコールと話している中、僕はファルにも声をかけた。
「ファル、兄は今戻ったよ」
「お帰りなさいませ、兄上ファルは兄上なら無事にお戻りになると信じておりました」
「お帰りなさいませニック様」
「ミアも久しぶりだね、お留守番ご苦労だったね」
ファル、ミアと会うのも久しぶりだな、ミアにも出迎えの挨拶をされて僕は返答をする。
「ニック様、王女殿下の護衛騎士入り、おめでとうございます」
「ありがとう、ミアも聞いていたんだな」
「ええ、ニック様がすごい事をなされた位にしか私には理解できませんが」
「そう、でも僕は基本的にはテリナン家の嫡子としての任が優先されるからしばらくはテールから学んだりすることが多いかな」
僕がミアに話していると、ファルはホップンに声をかけていた。
「お帰りホップン」
「キューーン」
「ホップン元気だった、兄上を困らせたり、まだコールとケンカしていない?」
そうだ、ファルはまだコールとホップンがケンカしていると思っているんだ、説明しないとと思ったら、コールがファルに話しかけていた。
「ご安心ください、ファル様、俺とホップンは一緒にニック様をお守りする事でお互いを認め合ったのです」
「じゃあ仲良くできたの?」
「そうっスよ、なあホップン?」
「キュン!」
とりあえずファルにもコールとホップンが仲良くなったのは伝わったか。




