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閑話 国王から父へ

ニック達が宿泊している部屋に戻り、オリビアがニックを花婿候補としてマーズ国王とフレア王女が考えているのではないかと話し、ニックが戸惑っている中、マーズ王の部屋にニックの父であるガリアスが呼ばれていた。


「まあ入るがよい」

「失礼いたします」


 マーズに促されて部屋に入室するとマーズが椅子に座ると動きで座るよう促されて、椅子に着くとガリアスは口を開く。


「それで陛下、お話とは何にございましょうか?」

「うむ、ニックを嫡子としてテリナン家ならびにクッキ領をニックに継がせようと考えている主には申しにくいのだが」

「ニックの事にございますか?」

「うむ、フレアは今後次第ではカールではなく、ニックを花婿の第一候補とできないかと申しておるのだ」


 オリビアの予想はなんと当たっており、フレアはニックを花婿候補として考えていたのであった。


「陛下、大変光栄なことにはございますが、ニックは我が嫡子として育てて参りました、ですからどのようにご返答いたせばよいのか」

「分かっておる、テリナン家は代々の忠臣、だからこそクッキ領のような重要な土地を任せておるのだ」

「はっ!ですが王女殿下がニックを花婿として迎え入れたいとは……」

「戸惑うのは無理がなかろう、余も臣下で家を継ぐ予定の者を迎え入れたいという発言には困っておるからな」


 さすがにマーズもテリナン家、そしてクッキ領の重要性は理解しており、嫡子を花婿として迎え入れて良いものかには戸惑っていたのだ。

 そしてマーズはフレアから聞いていたニックを迎え入れたい理由を話した。


「当初はニックの力量を見極めさせるために仕えさせる事しか余も考えていなかったし、フレアもそのつもりであったが、ニックと接する、というよりフレアが押しかけているにすぎず、それを繰り返しているうちニック自身に惹かれていったのだ」

「陛下、それは……」

「うむ、恋煩いというやつだな」

「……陛下、まだ王女殿下がおっしゃっているだけであり、公にはしていないのですね?」


 フレアがニックに惹かれている事実をマーズはガリアスに告げ、ガリアスはまだ公にはしていないかを尋ねる。


「無論だ、確かにフレアは1人娘で、いずれは女王としてこの国の統治を任せたくはある。そして王配も必要であり、カールはふさわしいと思っていたが」

「ニックですな、陛下いざとなればニックに早めに爵位を譲り……」

「そう慌てるな、一時的な気の迷いやもしれぬし、フレアも自分の役割を理解しているであろうし、今しばらく様子を見る他あるまい」


 とりあえずフレアの動向を見守るほかないとマーズは決め、それをガリアスに伝えるのであった。

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