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視察の為に

 13歳で成人を迎えた僕に教育係としてテール・オリビンという女性が付き、更に僕の従士としてオリビア・ガニアン、そしてその弟のコール・ガニアンが付く事になったのだ。


 僕とオリビア、コールはテールから領内の政務や軍務について学ぶ事になっており、今日も受けていたんだけど、どういうわけか今日はオリビアとコールがいなかった。


「テール、今日はオリビアとコールはどうしたの?」

「ニック様、昨日お話ししたはずですが、オリビアとコールはお父上であるガニアン卿に呼ばれて一時的に実家に戻っています」

「何かあったの?」

「ガニアン卿が治めている土地に魔物らしきものが現れてその調査と討伐に向かいました、これもお話ししたはずですが」


 うわあ、昨日テールからの魔法や剣の指導ですごく疲れていたからオリビア達の説明が全然入っていなかったや。


「ニック様、今日は一通り剣と魔法のご指導をしますので、明日にはガニアン卿の土地に視察に参りませんか?」

「僕も?」

「ええ、領内の異常をご自身の目で確認する事も大事なお仕事です、ご安心ください兵も連れていきますし、ニック様は私がお守りいたします」

「あはは、どうも、でもオリビアとコールはいざって時には魔物と戦う事になるけど大丈夫なの?」


 成人したとはいえ、僕が昔生まれ育った日本じゃあまだ年端もいかない2人が魔物、つまりは怪物との戦いを強いられて大丈夫なのかと思って、テールに尋ねたら、テールより2人に関する事が説明された。


「オリビアもコールも早くからニック様の従士になるべくオリビアは魔法のコールは剣の修行に励み、あの年にして相当な才覚を発揮しております」

「そうなの?」

「オリビアの魔法の才はお母上より受け継いだものですが早くからの片りんを見せておりますし、コールに至ってはお父上のガニアン卿が猛将と名高く、その素養を大きく受け継いでいますね」

「2人共すごいな、そんな2人が将来僕を支えてくれるなんて」


 僕がオリビアとコールのすごさに驚いていると、テールが僕に対して声をかける。


「ニック様、ニック様もきっとガリアス様のように勇ましくなれると私は思っていますので、今日のご指導をしっかり受けて明日オリビア達の元に赴きましょう」

「うん、いや分かった」

「それではまずは剣のけいこです」


 そして今日もテールから剣の指導と魔法の指導を受け、それを終えると明日ガニアン卿の土地にいく為にゆっくり休む事とした。


 この視察が単なる視察で終わらず、僕にとって新たな才が目覚めるきっかけである事を今の僕は知らなかった。

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