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騎士団長との対面

僕達が王城の訓練所で剣の稽古をしていると突如フレア王女殿下の護衛騎士が現れて訓練所を使わせて欲しいと訴えてきた。


 聞けば、陛下の前で御前試合があり、出場予定の騎士に護衛騎士の普段使っている訓練所を貸している為、こういった訴えをしてきたのだ。


 ところが彼らの物言いにテールが反論をした事で彼らは僕達に対する発言の語気を少しづつ強めてきたのだ。


「訓練と申すがあなた方のしている事など公爵家嫡男のお遊びの延長にすぎぬ、早々に我らに明け渡していただきたい」

「はあ、護衛騎士ともあろうお方々が礼儀も知らねんっスね」

「何だ貴様は、我らに対しそのような口の利き方とは慎め!」

「元々俺らはこの訓練所を好意で使わせていただいているだけだし、事情が事情だし素直に譲るつもりだったんですが、我らの主への侮辱はいただけないっスね」


 コールまで、だけど主への侮辱は僕が不甲斐ないばかりに起きたともいえるし、僕が自分で彼らに反論をしなければいけないな。


「控えよ!我が従者達よ!」

「ニック様……」

「聞こえなかったのか!控えよと申した!」

「はは!」


 とりあえずテールとコールは僕の命で退いてくれた。あとは僕が彼らと話していかないとな。


「我が従者が失礼しました、代わって非礼を詫びさせていただきたい」

「賢明ですな」

「ですがあなた方にも申し上げたい事があります。確かに私はあなた方程の技術はないかもしれない、だが我が従者はそんな私が器量を示せるよう力を貸してくれている。私も彼らも遊びなどとは思ってはいません」

「……なるほど、だがそうだとすれば身の程知らずと申すしかありませんな、カール団長の前ではあなたはそのわずかなお力も示せないであろうな」


 身の程知らずだと、それほどまでにカール騎士団長は強いというのか。そう考えていると再びどこからともなく声がした。


「お前達何をやっているのだ?」

「団長、ニック・テリナン殿に訓練所を明け渡していただき訓練をしようと思ったのですが、交渉が難航しており……」

「その必要はない、今しがた衛兵の訓練所が空いたと知らせが入った。こちらは客人に使っていただければ良い」

「は、はい……」


 彼がカール団長か、この間は声しか聞こえなかったが、こうしてみるととても勇ましいな。


「ニック・テリナン殿、王女殿下をお守りできるならば剣である必要はない、おそらく陛下も王女殿下もそうお考えであろう」

「え?そ、それは……」

「だが護衛騎士団への入団を勧められている以上、最低限の剣の腕はなくてはいざという時に王女殿下が危険に及ぶ、それを見極めさせていただく」


 そう言って、カール団長は去っていった、本気で僕の器量を見極めるつもりなんだな。彼は。

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