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基礎訓練

 翌日、早速僕達は訓練所に行くとそこにはフレア王女殿下がいた。


「おはようございます、あ、かしこまらなくてはよろしいです、今日もニックの勇姿を見させていただこうかと思った次第ですので」

「おそれながら申し上げます王女殿下、本日は我が主、ニック・テリナンは基礎訓練に徹する方針にございます」

「基礎訓練ですか?昨日は実戦訓練を多めにしていたように見えましたが?」

「構えを見直し、筋力の鍛錬も行わねば、ここという時に力を発揮しにくいという我ら一同の判断にございます、無論我が主も納得しております」


 さすがはテールだ、もちろん間違いではないけどいい口実になったな。さあ王女殿下の反応はどうかな?


「まあ、そういうことでしたら致し方ありませんわ、ですがせっかく来たのでニックの勇姿を見させていただきます」


 とりあえず納得はしてくれたが僕の訓練の様子は見るらしい。まあ基礎訓練なら見てもらって大丈夫だろう。


「それではニック様、今回は実戦訓練ではないので真剣をお使いいただきたく思います」

「分かった」

「ではまずは剣の素振りからお願いします!はじめ!」


 テールの掛け声で僕は剣を振い!ひたすら素振りを繰り返す。とりあえずまだ王女殿下はいらっしゃるようだ。


「……ねえ、私の護衛騎士の訓練も実戦訓練が多いけど、やっぱり彼らも時々ああして構え等を見直しているのですか?」

「ええ、皆様も基本的な訓練は大事にしておりますよ。皆様はフレア様にお強いところを見せ、しっかりお守りできるところを示す為に実戦訓練で切磋琢磨しているのです」

「護衛騎士は城に常駐していますからそのような意識が強いのは分かります、ですがニックはお父上であるテリナン卿が登城した場合のみの任なのにこれほど熱心に訓練してくださるとは」

「騎士団長のカール様との立ち合いですから、きっと少しでもお強いところを見せたいのでしょう」


 王女殿下が何か話しているのが聞こえるが、とりあえず僕は素振りに集中する。そこに更に声がする。


「王女殿下、こちらにいらしたのですね」

「あら、カールどうしましたか?」

「本日お会いするお約束をしていたブラッシュ卿の息女が参られますのでお呼びに参上した次第にございます」

「そうでしたね、その方が私の侍女が務まるかを見極めなくてはいけない日でしたね、もちろん忘れたわけではありません、少しばかり見学をしていたので」

「見学……そういうことでしたか……とにかく参りましょう」


 声の主が騎士団長カールなのか、一体どれほどの実力なんだ?

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