訓練方針
フレア王女殿下が僕の訓練を見学したいという事で、訓練が終わるまで見学をしており、結果僕はテールやコールに何度も打ち勝つという状況が続いた。
「素晴らしいです、ニック。さすがは父上と私が見込んだお方」
「は!お褒めにあずかり光栄にございます」
「それでは明日も参りますので、またその勇ましさを私に見せてくださいませ」
「あ、明日もにございますか」
ちょ、ちょっと待ってくれ、王女殿下明日も来るの?もしかしてまたテールやコールに打ち勝つ状況を作らないといけないのか?
「それでは、ニック、従者の方々ごきげんよう」
僕達は王女殿下の言葉に膝をついてお見送りし、訓練所の管理者の人に訓練を終える事を告げると慌てて客室へと戻って行った。
「ど、どうしようみんな王女殿下明日も訓練所においでになるそうだよ」
「ええ、このままではニック様の本格的な訓練ができません早急に対策を練らなくては!」
「だけど、もしこれから毎日来たらどうするんです?」
僕達がどうするか困っている中、ここでオリビアは提案をしてくれた。
「あの、ニック様がテール様やコールとの実戦訓練にこだわらず、ひたすらニック様が基礎的な訓練をするところをご覧いただくのはどうですか」
「基礎的な訓練をひたすらご覧いただくか、どうしてか話してくれる?」
「王女殿下はニック様の勇姿と言いますか、そのような部分をご覧になるのが楽しみのように思います。基礎訓練はつまらなく感じましょう」
「なるほど、確かにそうかもしれないな」
僕が強いのを見せる事で満足するなら、あえてつまらなさそうな訓練を見せる事で王女殿下の飽きを生じさせるか、なかなか良い策だな。
「それにもし王女殿下がそれでもご覧し続けたとしてもニック様にとってはしっかりと訓練になるのでお強くはなるかと思います」
「さすがオリビア、考えたわね、王女殿下が途中で退席なされたらまた私達との実戦訓練を再開させ、そうでなくともニック様には基礎メニューをこなしていただければ確実に成果は出るという事ね」
「とりあえず明日は姉上の策で行きましょう」
「ありがとうオリビア、それからテール、コール明日もお願い」
「いえ、ニック様がお強くなることは私達にも誇らしいですから」
「とりあえず基礎訓練のメニューを考えますので、お任せください」
「場合によっては明日は俺の出番はなさそうっスね、王女殿下次第ですけど」
そう言うとテール達も自分達の客室に戻って行った。王女殿下、すごい壁が立ちふさがったな。