護衛騎士
陛下の提案で僕も父が登城する際に同行する事になったが、その際に僕は陛下の娘でボートルト王国の第一王女フレア殿下に仕えろと言われた。
「これは王女殿下、ご機嫌麗しゅうございます」
「ようこそおいでくださいましたテリナン卿、ところで父上、このお方を私に仕えさせたいのですね?」
「うむ、彼がガリアス・テリナンの嫡子、ニック・テリナンだ彼にはお前の護衛騎士として仕えてもらおうと思っておる」
護衛騎士という言葉を聞き、父が陛下に対して自分の意見を話す。
「お待ちください陛下、確か王女殿下の護衛騎士は家を継げぬ三男や四男の貴族の家系から腕の優れた者を選ぶはずです!ニックは我が嫡子ですし、本来ならば護衛騎士にはなる必要がないはずにございます」
「余もそう思ったが、だが単にガリアスに伴うだけではニック自身の力を見極めようがないからな、それにニックは他の護衛騎士と違い城には常駐しないから特殊な位置づけとしてフレアを守ってもらう」
「特殊な位置づけにございますか?」
「ニック、お前はガリアスと共に登城した際にそのホップンというアルミラージと共に守ってもらい、他の護衛騎士は城内の見回りや外出時の護衛のみにとどめる」
すごい、なんか知らないが僕は王女殿下の護衛をホップンと一緒にする事になるのか?ん?でも待てよ、気になる事があるし、少し尋ねてみるか。
「あの陛下、よろしいでしょうか?」
「なんだ?」
「ありがたいお話なのですが、私がそのような任に着くと本来の護衛騎士にとっては貴族の嫡子のお遊びだみたいな反感が生まれたりしないでしょうか?彼らは家を継ぐ立場でないからこそ王女殿下の護衛騎士という任に誇りを持っていると思うのですが」
「フフフ、ハハハハハ!そのような事を気にしておったのか!」
「そ、そのような事……」
「ああ、すまぬ、本来の護衛騎士の誇りの事まで気に掛けるとはなかなか細かい目線であるな」
「いえ、そんな……」
「もちろんこの話は今の護衛騎士にもしておる、そしてその者らはお前が魔物を従える力を所持している事も話してある」
「そうですか、それじゃあ受け入れているんですね」
僕はどうにか護衛騎士にも受け入れられているのかと思ったが、次の瞬間、陛下は更に言葉を続けた。
「だが、やはりお前自身の腕前も気になっているようだ、ニック、一週間後に彼らの団長との立ち合いで腕を示してみせよ」
ここに来て剣の腕前を示せか、今の僕の実力でどこまでできるんだろうか?