国王との謁見
国王陛下が父と僕を呼んでいるという知らせがあり、僕達は玉座の間に赴くことになり、後ろよりテール達も着いてきている。
はあ、緊張するなあ、表向きは僕の初陣報告ではあるが、真の目的は僕のモンスターテイムについての報告。そして今後の対応についての相談をする事なのだ。
そう考えていると玉座の間の前に着くと衛兵が扉の向こうに呼びかけていた。
「失礼します!ガリアス・テリナン様、ニック・テリナン様到着します。これより玉座の間へと入室していただきます」
そう言って衛兵が扉を開けるとそこには多くの人が出迎えており、奥の玉座に座っているのがボートルト国王マーズ陛下だ。年は父より少し年上らしいがすごく風格のある方だな。僕達が跪くと陛下がお言葉をかけてくれた。
「ガリアス・テリナン、そして嫡子であるニック・テリナンよ、よくぞわが王城へ来てくれた。そしてニック・テリナンよ見事な初陣と聞いているぞ」
「はは!もったいなきお言葉にございます」
「ガリアスよ、将来が楽しみであるな」
「はは!ですが我が嫡子ニックはまだ未熟な身、更なる研鑽が必要にございます」
陛下の言葉に僕達は簡単な返事を行い、更に陛下は僕達に言葉を投げかける。
「無事に初陣を成し遂げた事でニックも嫡子として今後はガリアスに従軍する事もあろうが、更なる成果を期待しておるぞ」
「はは!まだまだ父より学ぶ事は多いですが精進いたします」
「今宵はそなたを称える宴を開く。ゆっくりしてゆけ」
「はは!」
僕を称える宴か、楽しみでもあるし、恐縮するな。
「おお、そうであった、ガリアス、ニックよ後で余の部屋に来るがよい」
「はは!」
僕達を部屋に招き入れるという事は宴の前にすべての話を済ませようという事か。
「使いの者に呼びに行かせるから、もう下がってよいぞ」
「はは!」
陛下の言葉を聞き、僕達は玉座の間をあとにし、客の間に戻る。
客の間に戻ると、僕は一息つき、父に言葉をもらす。
「はあ、緊張しましたね父上」
「ははは、お前にとっては初めてであるからな。だがこの先お前も登城し、任を申し付けられることがあるかもしれんからな」
「登城ですか?そういえば父上は時々所用で王城に行っていましたね」
「うむ、領内の政務は領主に任せてくださるが、報告したときに、新たなお下知をおっしゃられる事もあるしな」
「そうですか」
「そして領内だけでなく王国の政務についての事にも意見を求められるのだ」
父は忙しそうにしてるのは領内だけでなく、国の政務にも携わっているんだな。