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部屋の隅に

 僕達はボートルト王国の王城に初陣報告の為に訪れて、客室まで案内されて待つよう言われるが、僕はその部屋の豪華さに圧倒されていた。


「それでは護衛の方々は両脇のお部屋に案内します、こちらが男性、そしてこちらが女性の部屋にございます」

「ではガリアス様、ニック様また後程」

「失礼します」

「何かあったら大声を出してください、駆け付けますから」


 テール、オリビア、コール達がそれぞれ部屋に案内されると衛兵は今度は僕に声をかける。


「ニック様、ニック様は魔物を従えているとお聞きしましたので、その魔物はあそこの小さな部屋で過ごしていただいてもよろしいですか」

「あ、はい」


 僕らが泊まる部屋の端の方に小さな簡易的な仕切りがあったので気になってはいたが、ホップンの為の部屋だったのか、中を確認すると柔らかそうな綿、更に元の世界で言うところの動物用のトイレみたいなものまで作ってくれている。


「これほどの準備お手数おかけしました」

「いえ、陛下よりたとえ魔物であれ、ニック様の臣下であるから丁重に扱うよう申し付けられておりますから」

「そうですか、陛下が」

「それではお呼びするまでしばしお待ちください」


 衛兵が部屋を去っていくと、僕はさっきの衛兵の話から疑問に感じた事があり父にぶつけてみた。


「あの父上、陛下は魔物を従えるという事に抵抗がないのでしょうか?」

「うむ、魔物を従えるスキル自体の存在はお前よりも以前に確認されておるし、今の時代は珍しいが、王国の歴史を学んでおられる陛下にとってはさして抵抗がないのであろう」

「そうですか、そうだとすると安心ですね」

「だが今はホップンのみを従えているがいずれ多くの魔物を従えるとそれを脅威に感じるかもしれん、危険視されぬよう我らの忠義を示す必要がある」


 忠義を示せか、要するに裏切りませんよアピールをする必要があるって事だな。


 魔物を従えるスキルは便利だけど、養うのは大変そうでもあるよね。今はホップンだけだからそれほどの負担はないけど、やっぱり公爵家ほどの財力でも多くの魔物は養えないのかな。


 そうすると軍事目的とはいえ、この間のアルミラージを従えていたのはとんでもない財力を持っていたから、やっぱり国家が関係しているのかな。


 まあその事も今日は陛下に相談に来たわけだしな。そう考えていると扉をノックする音が聞こえたので父が反応をした。


「どうぞ」

「ガリアス様、ニック様、陛下がお呼びです。玉座の間までお越しください」

「うむ、参るぞニック」

「はい!」


 いよいよ国王陛下との謁見か、どうなるんだろうな?

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