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無事に生還

 刺客に取り囲まれた僕達を救出すべく、コールが助けに現れて、僕達は隙をついてその場を離脱する。前方に移動すると父の馬車の姿を確認し、確かめる為に僕達が馬車から降りると、見つけた馬車からも父上、そしてオリビアが降りてきた。


「おお、ニック、無事であったか」

「ニック様、ご無事でなによりでございます」

「父上、オリビア、はいニックは無事にございます」

「敵を振り切っておったのならば話は早い、急いでここを発って陛下の元に馳せ参じなければならん」


 え?ちょっと待って、ここでコールを待たないの?さすがに見捨てるようで気が引けるから僕は父に自分の意見を言った。


「お待ちください、コールがまだ戻っておりません、もう少しだけでいいのでコールを待つわけにはいかないでしょうか?」

「ならぬ、我らは元々、陛下の元に馳せ参じる為に移動しておったのだ、敵襲にあい足止めをされたというならともかく、臣下1人の為に陛下とのお約束に遅れたとあっては陛下のお顔をつぶす事になる」

「ですが本来であれば、コールも我々の護衛として参るはずでした、我らを守る為に命を呈したコールを見捨てるのはいかがかと」

「ニック、捜索の為の兵は残しておく、生死の確認も必要であるからな、我らは一刻も早く、陛下の元に馳せ参じなければならぬからな」


 陛下とのお約束があったから仕方ないかもしれないが、こんな形でコールを置き去りにしてしまう事になるなんて、すまないコール、せめて無事でいてくれ。


 そう考えているとホップンが鳴き声で僕に何かを告げようとしていた。


「キュン、キュン」

「え?誰か来るって、それも敵意がない人、まさか!」

「ニック様!」

「ニック⁉」


 ホップンが敵意のない気配を感じた、それを聞いて僕は確信し、ホップンと一緒にその方向に駆け寄ると僕の予測はやはり的中していた。


「はあ、はあ……、コール・ガニアン、ただいま戻りました」

「コール、無事だったんだね、良かった!」

「俺があんな奴らにやられるわけないでしょう、神速スキルを2回も使ったのは疲れましたけどね」

「ははは、そうか、だけど無事で良かったよ」

「ニックよ、コールは自らのスキルを活用し、お前を助ける為にこの役割をかって出たのだ」

「父上……」

「私はコールならば、お前達を救出したうえで自らも生還すると判断し安心して任せたのだ、事実コールは早めに戻って来たからな」


 父上も見捨てようとしたわけではなくコールを信じていたのか、僕ももう少し自分の従士を信じろって事なのかな。

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