修行方針
群れのリーダーであるホップンにモンスターテイムを発動させる際にホップンから謎の光が発したのが僕の目に映っていた事を思い出し、もしかしたら群れのリーダーを狙って手懐けられるスキルなのではと僕は思い、それをテール達に告げる。
「みんな、実はホップンにモンスターテイムを使う際にホップンから謎の光が発したのが見えたんだ、これってホップンが群れのリーダーというのをスキルが教えてくれたのかな?」
「スキルが教えてくれたですか?申し訳ありません、私では判断しかねます」
「そうか……」
「ですがニック様のおっしゃる通りならば、判別に時間がかからず、スキルを発動させて群れの統制を崩せますし、これは戦術という意味でも有効ですね」
あの時群れのリーダーであるホップンを手懐けたからこそ、アルミラージの群れは統制を失い、ガニアン卿達の部隊だけで残りを討伐しやすかったんだな。
「だけど、ニック様の今の魔力じゃあ多用はできないんですよね、だから使いどころは難しいのに変わりはないっていう事っすね」
「まあね、まあこればかりは僕自身が強くならないと」
本当は国王陛下にも相談をしてみるんだけど、父よりテール達にも黙っていろってきつく言われているからね。
「それではニック様のご希望に沿うという形で今日は魔法の修行を行います、オリビア、コールも外に出て」
「はい、分かりました」
「ええーーー魔法の修行っすか、俺は剣か槍の稽古が良かったな」
「もう、コール、魔法の力を身に付けておくのも騎士にとっては大事ですよ」
コールはあまり魔法が得意ではないのだけど、オリビアがコールに魔法の重要性を説いているとそれに対しコールが反発する。
「そりゃあ姉上は魔法が得意なうえに、武器の稽古は免除されているからいいでしょうけど、俺は苦手な事もやらされているんですよ」
「コール、オリビアは純粋に魔法使いの素養があるからそういった教育方針なのよ」
「それは俺も理解していますけど……」
「……まあ、コールの言い分も理解できる部分はあるし、オリビア、ガニアン卿にお話をしてからだけど、杖による護身方法を学んでみない?」
「父上がお許しになり、テール様がそうお考えであるならば」
「だけど、私では杖による護身は指導できないから、引き受けてくれそうな人がいないかガリアス様に相談してからね」
「はい、お気遣いありがとうございます」
「これでいい?コール」
「はあ、テール様にはかなわないな、いいですよ、姉上も少しは自分の身を守ってもらわないと」
すごいなテールは、コールの不満をこんな形で解消させるとは、でもまあオリビアが護身をできる事は僕にとってもありがたいな。