表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/102

威嚇するホップン

 父より国王陛下に謁見し、初陣報告をする日を伝えられた翌日、僕の従士であるオリビアとコールが屋敷を訪れて来たので、僕は自ら希望し直接2人を入り口で出迎えた。


「オリビア!コール!久しぶりだね!」

「お久しぶりですニック様」

「どうも、いやあ後処理に追われて大変でしたよ、あれ?そのアルミラージ相変わらずニック様に懐いているんですね」


 コールはいまだに懐いているのが不思議なのか、基本的には魔物は操作魔法みたいなのを使わないと懐かないと思っているだろうから無理もないな。


「多分スキルのおかげだよ、あ、そうだこのアルミラージにはホップンって名付けたから2人もそう呼んでくれるかな」

「分かりました、よろしくお願いしますねホップン」

「ホップンか、なんかあの凶暴なアルミラージの名前にしてはちょっと可愛すぎないっすか?」


 コールは少し軽口のつもりだったろうが、その時にホップンがコールに対し威嚇のように叫びだす。


「ウーーーー!グルルルルーーー!」

「何だコイツ!いきなり叫ぶなり牙を向けやがって!やんのか!」


 コールが槍を構えているのが見えて少し離れた所にいたテールが駆け付け、コールに注意をする。


「やめなさいコール!何をしているの、ニック様の御前よ!」

「テール様、でも先に俺を威嚇したのはこいつですよ、それに俺だって身の危険を感じたから槍を構えただけです」

「そうなのですかニック様?」

「うん、確かにいきなりコールを威嚇したのはホップンだったよ」


 僕はとりあえず起きた事実をそのまま伝えると、そこでオリビアが話にはいってきた。


「口を挟むようで差し出がましいのですが、私はコールが名前が可愛すぎるといってそれに腹を立てたのではと見ていますが」

「どういうこと?」

「ええ、もしかしたらホップンはコールに名前をからかわれたと思って、それでコールに対し威嚇をしたのではないかと思いました」

「そうなのかホップン?」

「キュ、キューーン……」

「今一つ歯切れの悪い返事だけど、そうらしい」

「そうだったんすか、それなら悪かったなホップン」

「ウーーーー!」

「ま、まだ怒ってんのかよ」


 まだコールへの威嚇は続いているな。


「ごめんコール、また僕からしっかりとホップンには言っておくから」

「……まあ、ニック様がそうおっしゃるなら、でもこのままじゃあニック様の護衛が満足にできそうもないので」

「コール、ニック様になんてことを申すのですか」

「でも姉上、確かに俺の言い方も悪かったんですが、従士が自分の任をまた別の従者に妨害されるのは不本意ですよ」

「従者……」


 僕はホップンの言葉は分かるが本心は分からない、一体コールの発言をここまで許せないのは何故だ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ