歓迎パーティーを終えて
僕の初陣成功パーティーからホップンの歓迎パーティーに切り替わり、最初は驚きを隠せないでいたがみんな徐々にホップンを受け入れていった。そんな中、妹のファルは特にホップンを気に入り、ホップンもかなりファルに懐いていた。
これもスキルの影響かな?それともファルが優しく接したからかな?いずれにしてもファルもホップンも楽しそうだな。
「良かったですね、ファル様、ずっかりホップンとも仲良しですね」
「うん、だって兄上がおとなしくさせてくれたもん、だからファル、ホップン怖くないもん」
ファルも僕程ではないが、当然魔物に関する教育は受けており、アルミラージが恐ろしい魔物だという事は知っている。そんな中、今のホップンを見て仲良くできるファルは我が妹ながら素晴らしいと思う。
……そういえば僕の前世での妹、綾香はどうしているんだろう?この世界と前の世界の時間の関係は分かんないけどやっぱり獣医になったのかなあ?
頑張って欲しいけど、無理もしないで欲しいな……。
「あのニック様いかがされました?急に悲しげな表情をされていたので……」
「え⁉ああ、ごめんミア、そ、そんな悲しそうだったかな……」
「ああ、分かった!兄上、ファルがホップンと仲良くしているから取られたと思ったんでしょう!」
「え、ち、違うし!大体僕じゃないと手懐けられなかったんだぞ!」
前の世界の妹を思い、物思いにふけってしまっていたらミアに心配され、ファルからは取られたと言われ、僕は思わず反論をした。
「えーーー、じゃあどうして兄上は落ち込んでたのですか?」
「え?あ、ああ、じ、実はちょっと眠くなってきてね」
「そうなのですか、確かに今日はお忙しかったですし、まだ遠征帰りですものね」
「ニック、それならば今日は休め、明日からもしなければならん事があるからな」
「はい、それでは今日は休ませていただきます」
「うむ、ホップンはあとでミアに部屋に届けさせておく」
「申し訳ありません、それでは失礼します」
まさか前の世界の妹の事を考えていたなんて言えないから思わず眠くなったなんて言っちゃったけど、言ったからにはそれに沿った行動をしないとな。
とりあえずホップンが暴れる事はなさそうだし、僕は安心して結局そのまま眠ってしまった。
そして翌朝、目が覚めるとホップンは僕の部屋の床で寝ていた。夜にミアが届けてくれたんだな。
「おはよう、ホップン」
それから数日が経つと国王陛下より謁見に関する文の返事が届けられたのだ。