初陣成功パーティー
ミアよりホップンの歓迎パーティーの準備が完了したと言われて僕はミアと共にパーティーを開く大広間へと向かう。その途中でミアからパーティーの流れを説明される。
「先程もおっしゃったように最初はニック様の初陣が成功したお祝いという事にして、パーティーが進んでから私からホップンを皆様に披露して、そこからニック様がホップンを紹介するというのはいかがでしょうか？」
「そうだな、そうなるとホップンを広間の外で待ってもらうことになるね」
「難しそうですか？」
「いや、僕の言いつけは守ってくれるし、ミアが敵意がない事もホップンだってもう理解しているし、大丈夫だと思う」
そう言ってから僕はホップンに対し、パーティーの流れを改めて説明した。
「いいかい、ホップン、ミアがいいって言うまで、広間の外で誰にも見つからないように待っているんだよ」
「キューーーン」
「分かったようだし、ミアも安心してホップンに声をかけてね」
「はい、分かりました。さあ、ニック様、皆様がお待ちしていますよ」
大広間の前に既に到着しており、ミアが扉を開けるとその場にいる一同に呼びかける。
「皆様、お待たせしました、本日無事、初陣を終えたニック様のお祝いをしたいと思います」
大広間には父、母、妹のファル、テール、キャシー、使用人のみんな、あ！今日は衛兵を代表してゲインもいるんだ。
「席につけ」
「はい」
父に促されると僕は自分の席につき、父が乾杯前の挨拶を始める。
「こたびの初陣で我が嫡男ニックは無事生還を果たし、魔物討伐に際しても一定の功をあげた事をここに祝したい乾杯！」
父の乾杯の挨拶を受け、一同が乾杯をし、飲み物を飲み、食事を始める。
みながそれぞれ食事を楽しんでいる中、父はテールやゲインにも声をかけた。
「テール、ゲイン、お前達もよくやってくれたな、お前達の支えも少なからずニックの助けになったであろう」
「は！もったいなきお言葉、ですがこたびはニック様の働きが大きかったと存じます」
「ええ、我々はニック様のお力を信じたに過ぎません」
テールやゲインの労もねぎらっていると、いよいよと言わんばかりにミアが一同に呼びかける。
「それでは皆様、皆様にニック様から発表したい事がありますので、まずはあちらの扉をご覧ください！」
ミアがそう言うと、その場にいる全員が扉を目にし、ミアが扉を開けるとそこからホップンが出てきて、事情を知っている者以外は驚いていた。
「魔物⁉」
「ご安心ください、こちらはニック様が付き従えている魔物、ホップンにございます！」
さあ、ここからがパーティーの本番だぞ。
