帰還すると
モンスターテイムのスキルでアルミラージを手懐ける事に成功した僕は今回の討伐の後処理をガニアン卿達に任せ、今回の初陣の成果報告とモンスターテイムの事の相談の為に屋敷へとテールやゲインらと共に戻る事とした。
その道中、アルミラージの懐き具合を見て、テールが僕に対して声をかける。
「ニック様、スキル効果とはいえ、とても懐いていますね、ニック様がいわゆる操作をしているわけでもないのに」
「そうだね、懐いてくれるのは嬉しいけど、こうも付きっきりだとな……」
「魔物のしつけは私は詳しくありませんが、できる限り協力していきます」
「ありがとうテール」
ううん、スキル効果と生前の体質がいい感じでミックスした結果なんだろうな、これはとはいえ、ずっとくっつかれても困るし、何かしら対処は必要だな。そう考えていると今度はゲインが僕に声をかけてくる。
「あのニック様、このアルミラージ、いや、いつまでも種族名で呼ぶのも不便でしょうし、名前を付けてみてはいかがでしょうか？」
「名前か……うーーん……」
ゲインの言う通りだな、確かにずっとアルミラージって呼ぶのは不便な気もするし、何よりこの子がかわいそうだな。うーーーん、アルミラージの名前か、見た目はうさぎにも似ているし……うーーーん！あ！これならどうかな！
「ホップン、君の名前は今日からホップンだ！」
「ホップンですか？」
「ダメかな？」
「いえ、ニック様がそう決められたなら、私は良いと思います」
とりあえず魔物の命名はすんだし、これからホップンも一緒に暮らす……、っていうから魔物と一緒に暮らす事ってできるのかな？まあ多少凶暴性はあったけど、普通の動物とそこまで変わらないような気もするし、その辺も含めて父と話さないとな。
「ニック様、屋敷が見えてきました、私が衛兵に声をかけてきます」
「頼んだよ」
僕がそう言うとゲインは屋敷の前にいる衛兵に声をかけに行ってくれた。
「ゲインさん、お帰りになったんですね」
「ああ、ニック様とテール様もお戻りになった。お通ししてくれ」
ゲインが声をかけている間に僕とテールも屋敷の門の前に到着して、衛兵より声をかけられる。
「ニック様、お帰りなさいませ、テール様もニック様をお守りいただきありがとうございます」
「ただいま、それから留守番お疲れ様」
「ねえ、ガリアス様はいらっしゃる？」
「はい、おいでにございます」
「それじゃあすぐにニック様と私が報告に向かう事を伝えてくれる」
「は！承知いたしました」
さあ、父に戦果報告とスキルの事を相談しないとな。
