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屋敷に向かい

 僕に突如覚醒したスキル「モンスターテイム」の効果でアルミラージを手懐け、どうにか僕達は窮地を脱する事に成功した。


 そしてどうにか森を抜ける事に成功し、とりあえず危険地帯からの離脱には成功した。


「ガニアン卿、ニック様が手懐けてくださったおかげで被害は最小限ですみましたが、オリビアの言っていた事は気になりますね」

「ああ、魔力で魔物を操っていたという話か、言うなればニック様のスキルはその魔力を打ち消し、更にご自身に懐かせたのだな」

「ええ、ですがまさかニック様がこれほどの力をお持ちとは」

「とりあえず、テール、俺達は後処理をしておくからニック様を屋敷までお連れしてくれ」


 ガニアン卿は後処理をすると言い、テールに僕の帰還を懇願し、更にガニアン卿はオリビアとコールに呼びかける。


「オリビア、コール、今回の事後処理が終わればお前達もニック様の元へ馳せ参じろ」

「はい」

「分かりました」


 最後にガニアン卿は僕に声をかけてくる。


「ニック様、ニック様のおかげで此度の戦いの被害は最小限ですみました。心より感謝を申し上げます」

「僕としてはもう少しどうにかならなかったかなと思ったんだけどね」

「いえ、ニック様のモンスターテイムなるスキルがなければ我らは必死に抗戦したでしょうし、もっと犠牲が出ていたと思われます、それを抑えてくださったニック様はまさに我らの誇りです」

「誇り、僕が誇り……」


 参ったな、だけどこれからこのモンスターテイムがあれば少なくとも魔物とは戦わずに手懐けられると思うと少しは気が楽だな。


「それじゃあニック様、そろそろ戻りましょう」

「ああ、それじゃあガニアン卿、ええっと大儀であった。オリビア、コール、君達がまた来るのを待っているよ」

「もったいなきお言葉」

「はい、お待ちください」

「1日でも早く駆け付けますよ、何なら俺だけ先に行っても……」

「コール、お前だけ後処理をさぼるのは許さんぞ!」

「ははは、バレたか、それじゃあニック様待ってくださいね」


 コールがガニアン卿に叱られている中、僕達は一路屋敷へと向かっていった。


 テールはさっき、テリナン家に伝わるスキルではないと話していたが、僕も突然神様から授けられたスキルだからある意味当然かもしれないんだよな。


 父に相談するとは言っているけど、もしかして父は何か知っているかもしれないのかな。


「ニック様、モンスターテイムなるスキルは気になる事が多いですが、ニック様のお力で我々が助かったのも事実ですし、私は大きな戦功だと思います」

「ありがとうテール、早く父上に報告しないとね」


 さあ、初陣の成果、そしてスキルの事を知らせないとな。

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