合流を果たし
突如覚醒した僕のスキル、モンスターテイムにより、テール達を襲っていたアルミラージはおとなしくなり敵意もなくなり僕になついていた。
「ははは、おいおい、くすぐったいよ」
その様子を見て他のアルミラージはその場から姿を消した。どうやら群れのリーダーにスキルが効き、それが他のアルミラージにも影響を与えたんだな。
「あ、あのニック様、今のは一体……」
「そうだ、なんだか分からないけど、モンスターテイムっていって、魔物をなつかせる事ができるスキルらしいんだ」
「分からない?らしい?……」
「ええっと、何て言えばいいのかな……」
女神様の事を説明すればいいのかどうか悩んでいると、テールはとりあえず話を転換してくれた。
「とりあえずそのモンスターテイムなるスキルの件は帰還後ガリアス様にご相談しましょう、ガニアン卿をまずは見つけなければなりません」
「あ、うん、そうだね」
周囲からの脅威は去っており、僕達はガニアン卿の部隊の捜索に全力を注ぎ、それらしき影を見つけた事がゲインから報告される。
「ん?ニック様、あちらにいらっしゃるのではないでしょうか?」
「何だって⁉」
「姉上!」
「ええ!」
オリビアとコールは自らの目で確認し、そのままガニアン卿らしき影に近づき、声をかける。
「父上!」
「ご無事でしたか!」
「オリビア、コール!お前らも森まで来ていたのか!ん?ニック様!」
僕、と言うよりも僕のそばにいるアルミラージに驚き、その事について言及する。
「ニック様!そいつは確か我らを襲ったアルミラージ!何故ニック様のお側に!」
「落ち着いてよ、ガニアン卿、今はモンスターテイムというスキルでなつかせているから他の人を襲う事もないよ」
「モンスターテイム?」
「その件はガリアス様に相談しますので、今は森を脱出しましょう」
「うむ、そうだな」
そして森から全員で脱出すために動き出し、その移動中にコールがガニアン卿に声をかけていた。
「だけど、父上、どうしてテール様と道が違ったんですか?」
「この森はどうも道が複雑でな、外で襲われたアルミラージを追いかけていたら道に迷った」
「それで私はガニアン卿の部隊を見失ってしまったんですね」
「テール、ガリアス様に相談するのはいいが、ニック様のスキルは一体?」
「ニック様ご自身も理解されてはいられないようで、テリナン家に伝わるスキルでもないようですし」
女神様が僕に与えてくれたスキル、そのスキルでテール達の窮地は脱したけど、何やら新しい騒動を起こしそうだな。