模擬戦を眺めて
魔物と戦うためにホップン達と模擬戦を試みたけどコールでもホップンの動きにはついていけず、僕達とホップン達では模擬戦にならないと判断して結局は人間同士、そして魔物同士の模擬戦に落ち着き、僕は庭でホップンとショウの模擬戦を見届けていた。
「キューーーーン!」
「ガーーーーー!」
2匹ともすごい勢いでぶつかっていく、コカトリスのショウは空が飛べて空中では有利のはずなのに、ホップンもその跳躍力で互角に戦っている。
これはすごい、それにしても僕達も魔物は対処してきたはずなのに、ホップンやショウは同種族のなかではずば抜けた強さを持っているんだな。まあだから魔物を従える長として操作魔法をかけられていたんだな。僕はそう考えながらホップンとショウの模擬戦に夢中になっていた。
ずっと夢中になっているとテール達の声が聞こえてきた。
「ニック様、こちらにいらしたのですね」
「テール、オリビアとコールも」
「ニック様がなかなかお戻りにならなかったので様子を見に来たのですが……」
「ホップンとショウ、こいつらも模擬戦をしていたんですね」
僕がホップン達の様子を見に行って中々戻ってこなかったので、テール達が様子を見に来て、テール達もこのホップンとショウの模擬戦に驚いてたのだ。
「これがホップンとショウの模擬戦ですか、こう見るとやはり彼らは並みの魔物ではないと分かりますね」
「だけどニック様のモンスターテイムはそのホップン達を手懐けるんですから、それもすごいですよ」
「だけどコール、モンスターテイムを使う状況というのはいずれも私達が危険な状況でした、何度もニック様を危険にさらすべきではないと思いますよ」
「姉上、そんな事俺だって分かっていますよ、だけどダイダイにしろ、プールにしろ魔物を操ってくるんです、その切り札になっているのは間違いないですよ」
そうか、僕のモンスターテイムはもしかしたらダイダイやプールの操作魔法に対する切り札なんだな、確かにそうかもしれないけど、強い魔物を相手にする事になるんだよな。
「それだけにこのスキルがダイダイやプールに気づかれないようにしなくては、ガリアス様はその為に今回ホップンやショウを留守にさせることにしたのですから」
「そうだね、彼らにとってはいまだに操っていた魔物の長は行方不明という事になっているはずだからね」
「監視役をおいてりゃあ今頃ばれていたでしょうからあいつらも意外とまぬけですね」
「人間が監視している事が我々にばれれば魔物を操っている証拠になるし、魔物を派遣するしかなかったはずよ」
何にしてもまだホップン達をテイムしたことは知られていない、この間に両国とのうまい落としどころを見つけられるといいんだけど。




