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会談に向けて

 僕とテールは父に呼ばれ、以前ボートルト王であるマーズ陛下に送った文の返事を僕達に読み上げてくれた。陛下もどうやらプールやダイダイとの会談を前向きに考えており使者を2か国に送り返事待ちのようだ。


 僕も陛下や父とともに会談に参加する事になったが、どのような返答をすればいいか正直困るな。


「ニックよ、あとはプールやダイダイの返答待ちだがいつでも赴けるよう準備をしておけ」

「はい!」

「テール、会談には参加せずともお前やオリビア、コールも我らの護衛を務めてもらう、その事をオリビア達にも伝えよ」

「はっ!」


 とりあえず返事待ちだが、僕達にはいつ行ってもいいように準備をしておけと父は言い渡し、僕達はそれに応えると父は退室を促した。


「ではもう下がってよいぞ」

「はい、失礼しました!」

「はっ!失礼いたしました」


 父に促されて僕とテールは執務室を退室し、少し移動してから話し始める。


「ニック様、この会談に応じるかどうかはまだ分かりませんが、この会談は我が国の今後のプールやダイダイとの関係を大きく左右するかと思います」

「そうだね、父上は最後にホップンやショウの存在は公にしないほうがいいとも言っていたしね」

「ニック様、きっとこれは我らが魔物を使役していると難癖をつけ、それを戦争の大義名分にさせない為にそうおっしゃられたのでしょう」

「僕もそう思うよ、だから父上に理由は尋ねず、案を受け入れたんだ」


 今回の会談目的は表向きは領土の境界線や商圏などの取り決めを行うものだけど、真の目的は魔物を使役し、ボートルトを害していないかの真偽を確かめることにあるからね。もし僕がテイマースキルを使用してホップンやショウを使役していると難癖をつけられたらあちらの国は自分達を棚上げして戦争口実を作ることは目に見えているからね。だから僕はホップン達にこう告げることにした。


「ホップン、ショウ、君達には悪いけど、もしダイダイやプールとの会談が決まったら君達にはここでの留守番をお願いしたい」

「キュン」

「ガーーー」

「悪いね、だけど彼らに僕が魔物を使役する能力を持っていることを明かすわけにはいかないんだ、ここで母上やファル、それにミア達を守ってくれ」


 単に留守番だとどちらもだだをこねるかもしれない、だからみんなを守ってもらうという任務を与えることにした。そしてらホップン達の表情が変わった。


「キュン!」

「ガーーーー!」


 僕の家族や使用人を守ってくれと言ったらやる気を出してくれたぞ、これであとはプールやダイダイの返事待ちだな。

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