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雨宮さんと悩み

 今日はいつもの放課後、空は夕日に染まって黄色となり、自転車と学生の声が混ざり合って、こんな時間でさえ、青春は広がっていく。


 が、この部室はまったく青春っぽくない。目の前にいたのは、机の上に突っ伏していて、うるさいため息を出ている雨宮である。今までと明るいイメージと違って、なにがあっただろ。特に興味ないだけど。


「はあぁぁー」


 部室に入ったら5分後、これが第六回のため息だ。


「はあぁぁぁぁー」

 

 第七回目。少し違ったのは、今度こっちにちらっと見た。


「ちょっと先輩、空気を読むことは今の社会では必要な能力なんです」

「空気は読めないと思うんだけど」


 雨宮は嫌そうして、信じられないの顔をした。


「今の流れは、先輩は先輩っぽくて、私に優しい気を遣って、好感度を一気に上がるチャンスですけど」

「どうして俺はお前の好感度を上がらないといけないんだよ」

「私が退部としたら、先輩は困るんじゃないですか。だから私をお姫様みたいに扱うべきなのです」


 反論はできない、入学からも一ヶ月。正直今頃退部を言うのならマジ困る。


「って、なにがあったの?」

「クラスの面倒臭い女にいじめられたのです」

「それなら一ノ瀬先生に言えば?」

「先生にこんなこと言ったらまるで私が可哀想じゃないですか」


 確かに一ノ瀬先生なら学生の無様なところを笑うかもしれない。だけどあの人結構学生を大事にするタイプだから、ほんとに困るならなんとかするはず。でも俺にこんな話しても可哀想と思うだけど。


「じゃお前が他人に怒られたことしたんじゃない?」

「どうして私が悪いを前提なんですか。答えは簡単です。先輩もわかっていますと思う。私、かわいいですから」


 自信満々と自分を褒めた。目もキラキラに見えそう。


「ほら私、かわいいですから」


 両方も話せずのせいか、車の声が聞きやすくなり、一階で、一年生の人はサイゼへ行くそうだ。


「その可愛さでなんとかすれば?」


 先に沈黙を破ったのは俺だ。


「できればいいですけど。変な噂のせいで私に話しかける人はいなくなりました。だってみんな先輩と違って、空気読むですから」


 耳の痛いことをかなり出て来たなコイツ。


「入学からも一ヶ月だし、他の友達がいるだろ。そいつに言ってみたら?」

「自慢じゃないけど同級生の友達はいませんよ。いっぱいいればいいんですけど。」

「友達ね......」


 正直友達の数はどうでもいい。仲良い友達は一人や二人がいればいい。小学生の友達と連絡取る人はほとんどいない、ならば高校も同じ、大学生になったら高校の友達も自然に忘れるだろ。友達がいれば逆に友達と言う関係に縛れるかもしれない。こんなくだらない茶番も同じ、みんながそう言う、みんながそうしたから、誰も空気を疑わない、誰も空気の流れに溺れる。だから誰も雨宮を助けてあげない。


「お前が噂を否定したらいいんじゃない?そうしたら噂は勝手に消えるんだ」

「それはちょっと無理かもしれません」

「なんて?」

「だって私が否定したら効果はないですし、先輩が手伝っても、いつも一人ぼっちだから、先輩がやっても誰も聞いてくれないでしょう」

「それは...詰みだな」

「詰みですね」


 まぁ最低の場合、こっちの世界に招こうか。一人ぼっちでもそれなりの楽しいところがある。例えば無理矢理に笑顔作らなくてもいい。


 そう言っても、雨宮はできないだろう。雨宮は俺と違って、社会を受け入れるんだ。だから全てを捨てることはできない。


「ちなみにどんな噂?」

「私は部員一人の文芸部部長を狙って、私の奴隷に落とされる悪い女と言う噂ですね」

「......なんだそれは」

「つまり私は先輩のご主人と言うことですね。私今、ジュース飲みたいですけどー」


 少し小悪魔のふりにしているだけど、誰かに裏切られたのは相当辛いことだろ。

 でも少し、解決策が分かった。嘘はより大きい嘘で被るように、噂の相手は真実でなく、噂だ。


 少しの沈黙の後、俺は飲み物を買いに行く。

こんにちは、那須野翔です。

最近は忙しくなってきました。

心は手毬ちゃんに奪われたので、すいません。

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