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一話
CASE1
月川しずく29歳。
漫画家志望の彼女。
何度もコンテストに作品を送っては、落選する日々。
でもしずくにとっては漫画家になる夢は子供の頃からの夢。
そう簡単には諦められないが、今年30歳になる。
正直続けてて良いのか迷いも生じる。
深夜2時。
しずくはずっと作業していたから、休憩を取った。
そんな時、家のインターフォンが鳴った。
こんな時間に誰だろう、としずくは思いながら恐る恐る出てみた。
「はい」
「あ、東京夢TAXIです」
「東京夢TAXI?」
「今夜しずくさんが選ばれました」
「なんのことですか?」
「とりあえず出て来てくれなせんか?」
するとしずくは部屋を出ていった。
謎のアフロへアーに細い眉毛の男が立っていた。
「どうも私、時野運命といいます」
「月川しずくさんでお間違いないですか?」
「…はい」