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プレゼント

そして、画面は移り変わり。



ダッダッダッダッタ…………


『ん……何か、抱かれながら走ってる……?』


「誰か!!! 助けてーーー!!!」


「コイツら! 王妃様を守れー!!!」


王妃様を守る為に、兵士が傷だらけで戦っていた。


「さっさと死ね!!!」


「グハッ……クソ……」


「王妃様と王子には、指一本触れさせない!」


『……皆んな必死に戦っているけど!

僕って、王子なの……? 

しかも、この白い髪の綺麗な人が母親?

僕の茶色い髪は、父親似なのかなぁ……?

(しかも、王様!?)

まぁ、日本人だから黒とか茶色いの方が馴染みはあるけど……

せっかくなら金髪とか白髪でも良かったとも思うよ。神様……

最後に聞いた神様のセリフ……プレゼント!

あれって……もしかして、この事だよね!?

僕が裕福な家庭の猫に生まれ変わりたいって言ったから……でも、王子様……王族って!

ちょっと、やり過ぎでしょう!

だから、転生して速攻でピンチになってるんでしょ。

あの神様、マジで! 勘弁してくれよ。』


「きゃぁぁぁーーー!!!」


そんな事を考えているうちに、母親である女性が盗賊であろう者達に切られてしまった。


しかし、女性は倒れながら僕の事を守る様に強く抱きしめた。


『く……苦しい。』


「クソー! よくも王妃様をーー!!!」


兵士達は、ボロボの体で賊に襲いかかる。


「コイツら……しぶとい……グハッ……」


兵士達は、王妃の仇を取る為に玉砕覚悟で斬りかかる。


数十分後……



その場で生きているのは、僕だけとなった。


「…………ぅん……めちゃくちゃ困った。

これから、どうすれば良いのだろう。

分からない世界に、赤ん坊で1人取り残される。」


悲しいと言う感情が湧かないのは、生まれてまも無いからなのか……

それとも、前世の母や家族が居たからなのかは分からない。


しかし、今は悲しむより……

この状況をどうにかしなくては、ならない!

それが一番に、来てしまう。


とりあえず、状況を整理しよう。

僕を守ってる兵士や母は死んだが……僕を殺そとする賊もいなくなった。

なので、今すぐ僕が死ぬ事はない……?


「ここは、異世界……モンスターとか居ないよな!?

居たらまともに動けないんだ! 絶対死ぬよ。僕……」


僕は、神様から頂いた創造魔法を試して見る事にした。


「今、1番大事なのは、動ける事……

動ける様になる魔法を想像する!!!」


『魔法を創造します!

成長魔法を創造しました。』


「よし! うまく行った。」


そして、僕は創造した成長魔法を使い少年へと姿を変えた。


「ふぅ〜。

これで、動ける様になった。が……

全裸はマズイ!」


僕は急いで、その辺にあった布で体を隠した。


そして……


「この後は、どうしようかな!?」


すると、何処からか声が聞こえてくる。


「アイツら何処まで行ったんだ!!!」


「コッチに行ったみたいです!」


「急ぐぞ!」


「はい!」


『……マズイな! 賊の仲間なら俺は殺されるぞ!!!』


とりあえず、投げる事にした。



「……なんて事だ!!! 王妃様ーーー!」


「まだ、微かに息があります!!!」


「急いで城へ運びましょう!!!」


「絶対に、死なせてはならんぞ!!!」


「兵士長! 王子の姿が見当たりません!


「今は、王妃様の命が最優先だ!!!

お前達は、私に続け! 残りは、王子の捜索だ!!!」


「はー!!!」



僕は、森の中を何となく進む……


「うわっ!

雨が降って来た!!!

てか、何で!? 僕は、一人称が【僕】何だ!?

生まれ変わる前は、私だったのに……

体が若返った。お陰かな?」


などと考えながら……


「そんな事より! 雨宿りを出来る場所は無いのか!?

あ! あれは……」


すると、雨宿りにちょうど良い洞窟を見つけて中へと入って行った。



洞窟の中に入ると、丸くて液体状の生き物が複数生息していた。


「何だコイツ……!?

もしかして、コイツがRPGで一番最初に出てくると言われているモンスターのスライムか?

コイツ……襲って来ないよな!?」


分からん!!! 


何もかもが分からない異世界……これから、どうすれば良いのかも分からん。


そんな事を考えていると、ある事を思い出した。


「……大賢者! なんか神様がそんな事を言っていた気がする。

分からない時に検索するのは、大事な事!

よしッ! 決めた。

大賢者を習得する!!!」


『大賢者を習得しました。』


「これで、分からない事は聞けるようになるな。

なんか安心したらお腹が減ってきたぞ!

このスライム食べられるのかな!?

美味しくは無さそうだけど、寒天みたいな見た目はしてるし……


『食べられません』


「……何の声だ!? 

まぁ、仕方ない。

食べられないのなら、食べないけど……どうしよう。お腹減ったなぁ〜

創造魔法で、何か食べ物を出せないかな?」


『自らの体から作成した食べ物は、エネルギーに変えられません!』


「また、変な声がする!?

あぁ……これが大賢者の検索機能か。

考えただけで答えてくれるのは、とても助かる。」


しかし、腹を満たす解決策は見つからないし……どうしようかな。


今後も、その事は課題になるし……


「いっその事、食べなくても良い体になれれば問題ないんだけどなぁ……」


『食事無効を習得しますか?』


「食事無効……便利な能力だ!

そんな能力、是非とも欲しい!!!」


『食事無効を習得しました。』


「おお……!!!

なんか! お腹の空腹感が無くなった気がする……って!!! おい!

何故!? 僕は倒れている?」


『魔力量が一定値を下回ったので、回復に努めます!

その間、体の自由が効かなくなります。』


「何? その状況……

体……動かせないの? ヤバくなーぃ。

スライム達、襲って来なーぃ……?」


『スライムは、雑食ですが……

生きた生物は捕食しません』


「なら、安心だね。

いや、死んだと思われたら食べに来るんじゃ……」


『心配いりません。

スライムは、生きた生物は捕食しません』


「……大賢者さんが、そう言うなら心配はないのか。

そしたら、どうしたら魔力を回復できるの?」


『食事をとるか体を休めれば……

いわゆる睡眠を取れば回復できます』


「そうか……なら、体が動く様になるまで眠る事にするよ。」


『分かりました。

スリープモードに移行します!』

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