8、変化
「貴方が言っていた、両者は同様の意義を持つという解釈。」
女性は淡々と話しを続ける。
「両者が同様な意義で、相対的に置かれると言う解釈が誤り。」
青年は不満げに女性の言葉を否定する。
「なんでだ?両者が存在してこそ両者が単体として成り立つんだ。両者が相対的な関係であることに誤りはないはず。」
「いいぇ、それは貴方の勝手な先入観によるもの。」
女性は決め付けるかの様に、間を開けて否定する。
「その考えが根本的に誤っているの。」
青年は特に動じる事なく
自分の疑問を伝える。
「う~ん、先入観と、それより導きだされる僕の結論が誤りだと言うのかい?」
「まあ、そういう事になるわね」
女性は軽く頷きながら言う。
…。
青年はふとこの会話自体を考える。
そういや、さっきからずっと僕が否定されてんだよな。
何か僕が反論しても、理論整然と打ち崩されてしまう。
何か敗北感を感じるな。
青年は屈辱を味わう、というより何処か愉快さを感じている。
まあここらで少し反撃してみようかな。
青年も特に感情は表現しない。
あくまでも淡々と。
「何で僕の先入観が誤りだといえるんだい?」
ここからちょっと論点ずれるかも^^;