6、矛盾
少女はやれやれと、少し呆れるように言った。
表現はしてないけど、たぶんそんな感情で。
「貴方の提示した等式は、根本から間違ってるの」
なんでだ?だって君が言ってた事じゃないか。
「まず前提に、生命と存在は異なるものよ」
青年は思わず疑問を投げかける。
「どういうことだ?一緒じゃ無いか、双方とも。」
「違うわ」
すかさず少女は否定する。
「貴方が今生きてる事と、貴方が今ここに存在して居るという事は、全く違う概念よ」
ん?益々意味が分からなくなって来た。
本格的に考え方がおかしいのか?
青年は再確認する。
まぁ良い、初めから分かっている事じゃないか。
青年はまだ会話を続けるらしい。
まだ地面に足を着け、立っているのだから。
「なんだい?理解出来ないな」
それでいても、青年は考えるを述べる。
「僕は生きて居るから存在がここに有るんだ、ここに存在するという事は生きている事」
青年は続ける。
「双方が同義で無いとしても、両者が同一の意義を持つことには変わりは無いはずだ。」
少女は黙っている。
ただただ青年の言葉に耳を傾ける。
「だから、君の言論には矛盾が生じているんだ。」
そろそろ本題に突入って感じかな?