1、屋上
微かに風が吹く、シャツの上でネクタイが微かに動く。
もう冬だろうか、まるでこの服装は季節にはそぐわない。
そして今、僕は眼下の街道を見下ろしている。
広がるのは、留まる事の無い雑踏。
一人一人が雑踏を構成していても、それは雑踏、その一言でしかない単体だ。
直前まで自分もその一部だったのだと考えると何だか虚しくなる。
そして、今僕はその中に跳び込む積もりだ。
まるでプールの飛び込みの様に、違うのは飛び込
みの対象が雑踏か水か、ただそれだけだ。
そして恐らくは直後に、周りは騒然となるだろう。何かを受け止めた水が波紋広げる様に。
しかし、それも又、騒然とする雑踏の一言、形容詞が追加されるだけ。すぐにまた雑踏に戻ってゆく。
波紋が静止に辿り着くように。どんなに大きな波紋であっても変わりはない、静止を迎える。
それだけでしかない。
飛び込みなんて簡単なものだ。何も変わらないのだから。
ただ、まだ僕は準備ができていないらしい、膝が笑っている。
いや、僕の事を笑っているのかもしれ無い。こんな無意味な僕を。
でも、もうこれは作業のの中の最後の過程に過ぎない。
そして今までの過程を洗いだす。
まだまだ初心者です。
よろしければ感想等よろしくお願いしますw