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No.72【短編】宵に酔って妖  作者: 鉄生 裕
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第6話

「おはようございます」


翌朝、近所のスーパーまで買い物へ行こうと階段を下りると、一階の角の部屋からちょうど管理人さんが出てきた。


「あら、おはようございます。今日もいい天気ですね」


そう言う彼女の手には、真っ白な花が握られていた。


「おはようございます。今から娘さんのところに行かれるんですか?」

「今日は暑いから、途中で冷たい飲み物でも買ってから行こうと思ってるのよ」

「それはいいですね。それ、もしかしてユリの花ですか?」

「よく知ってるわね。あなたもお花が好きなの?」

「詳しくは無いですけど、最近ちょっとだけ好きになりました」

「実は昨日の夜、娘が久しぶりに会いに来てくれたのよ。昔よく着ていたユリの花の着物を着て、おめかしなんかしちゃって。なんだかとっても楽しそうだったわ。よっぽど良いことでもあったのね。夢の中だからおしゃべりは全然できなかったけど、あの子が元気に楽しく過ごしているってことが分かっただけでとても嬉しかったの」


管理人さんは笑顔で僕にそう教えてくれた。


「忙しいのに、立ち話に付き合わせちゃってごめんなさいね」

「とんでもないです、いつも暇ばっかりしてるんで」

「あらそうなの?それじゃあ、これからも時々私の立ち話に付き合ってもらおうかしら」

「喜んで」


それから管理人さんはいつものように彼女へ会いに行った。


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