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2.ギルド登録って?

 「ギルド登録って?」


 建物に入った途端、衝撃的な言葉を突き出された。というよりなんでこのことを忘れていたのだろうか。


 「当ギルドに加入するためには皆、登録をしなければいけません。単なるカウンセリングですが、全て答えていただくと結構時間がかかってしまいます。なので答えられる範囲で答えてもらって構いませんよ」


 受付嬢らしき人に警告されるほど時間がかかるのか、既に時間は昼を過ぎてしまっている。空腹が限界を超えていたので先にご飯を食べさせてほしいんだけど…


 「すまんが彼は一日中、いや三日中走り回っているのだ。先に食事と休憩ををとらせてやれない程、ここの食糧は枯渇しているのか?」


 「…?!左様でありましたか。ではこちらに来てもらってもよろしいでしょうか?今ギルド職員の昼休憩時間なのです。よかったらご一緒にいかがでしょうか」


 メアの一言で僕の様子を察し、慌てた様子で食事をとるように提案する女性。僕の答えは決まってる。


 「で、ではご一緒させていただきます…」


 僕の喉から信じられないほどのしゃがれた声が出てきた。さっきのメアを呼び止めた声からは想像もできない声に少々びっくりした職員に連れられて受付の隣にある食堂に連れていかれた。




 「行かなくてよろしいのですか?」


 「ああ、この体になってから食事をとる必要が無くなったからな。それより、派遣ギルドのマスターに知らせておいてくれ。『メアが期待の少年を連れて来た』ってな」





 「ふう、ご馳走様でした。」


 あの職員に連れられて行った食堂のご飯は信じられない程美味しかった。これ単体で店を開いたらやっていけるんじゃないかと思えるほどだ。ここ三日間まともな食事を食べていなかったからか、三人分の食事を食べたと他の職員に言われた。それだけ走り回っていたもん、しょうがないよね。


 「ではこれよりカウンセリングを始めさせていただきます。ついてきてください」


 「…(´・ω`・)エッ?」


 そういやぁ、そんなことを食事中に言われた気がしなくもないような…


 そうしていざなわれるように、個室に連れていかれた。




 拷問カウンセリング中…


 「ギルド長、これがカウンセリングの途中経過です。不明確なところはすべて黒塗りとさせていただきました。」


 「うむ、どれどれ…」


 そうして渡されたのは一束のレポートだった。名前の書いてある表紙含め内容の約九割が黒塗り、魔力なしのほとんど無能な人材。しかし唯一目を見張ったのが、


 「すべての身体技能測定値がAプラス、だと…?!」


 魔力がない代わりにすべての身体技能が大幅に上がっている。これはまるで、


 「まるで神器融合者シンクロナイザー暁の光(トワイライト)の連中と張り合えるじゃないか。…よし」


 そうしれギルド長は立ち上がると職員に向かってこう言い放つ。


 「俺が直々に出向こう」


 「もう夜ですよ」


 「(´・ω・`)」




 約半日に寄る聴取が終わると外はもう満天の星空が広がっていた。


 「今日はもう遅いです、休まれてはいかがでしょう。この建物の二階の4号室は誰もいませんので、今日はそこに泊まってもらえないでしょうか」


 「あの、メアは?」


 「お連れの方でしたらお隣の5号室でお休みしております。お疲れのようでもう寝てしまいました」


 その言葉を聞いて少し安心する。はじめて彼と会ったとき、死にそうな状態だったため今度こそ死んでしまったのではないかと心配してしまうが、この様態ならば当分大丈夫だろう。


 「では、休ませていただきます」


 そうして鍵を貰うとそのまま言われた部屋に直行した。そして入り口にあった鏡に映った自分の姿を見る。藍色のロングヘアーに赤と黒のオッドアイ。少し高めの伸長をした美少年がそこに立っていた。強いてあげるとしたら、


 「新しい服を買わないとな…」


 メッチャ服がボロボロになっていた。来てから3日しかたっていないのにな。そんな考え事をしていると、


 「うわぁぁぁ!あぶなぁぁい!」


 突如左奥から結構なスピードで魔法で作られたと思われる槍が飛んできた。少し体制をずらし飛んできた槍の柄を握る。しかし、


 「うわあぁあぁあぁあ!とめてぇえぇえぇ!」


 槍の前進する力がとんでもなく駒みたいに回り続ける。どんどん加速していく。ウッ、吐き気が…このままだとゲロを吐き続けながら回る地獄の駒になってしまう…


 「解除!」


 その子の掛け声とともに槍が消える、が回転は止まらない。グルグル回り続ける僕の体は部屋のドアに当たる。回転は止まるが僕の意識は途切れてしまう。




 「あっ、大丈夫ですか…」


 「ぅう、気持ち悪い」


 目を覚ますと部屋の中にいた。どうやら入れてくれたようだ。


 「あの槍を掴むとは…ハヤテさんでも行けるかどうかなのにすごいですね」


 視界がぼやける。声からして女性だろうが、全体を把握することは難しい。


 「私はフレイといいます。あの、この度は大変申し訳ございませんでした…」


 「いいよ、気に、し、な…」


 やばい、眠気が襲ってきた。まだ夜だったんだ、まだ自己紹介も済んでいないのに。


 「お疲れのようですね。同じギルドにいる以上、いつかまた会えるかもしれません。自己紹介はまたその時に」

 その言葉を聞き、意識がプツンと切れた。



 次の日


 「今日は派遣ギルドの入団試験を行います」


 「…は?」


 またもや聞いてないんだけど。

星が欲しいなー、なんつって。

今日はできれば2話分投稿したいです!

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