ノブ
町長がダイチに話しかけた
「俺の火を消してくれたのは君か? 冒険者かな? 助かったよ。俺の名前はノブって言うんだ。俺の町、いい町でしょ?」
「いえいえ。当然のことをしたまでですよ。僕の名前は、ダイチと申します。いい町ですね。お寿司とか美味しかったです。」
「実はね、君にヒトミ教に入信してほしいんだよ。あの火を消した時、あれは絶対にヒトミ様が君にそうさせたんだと思うんだよね。」
「どうしてそう思うのですか?」
「君は、このヒトミ教のシンボルマークを知ってるか?」
「『土』ですよね。」
「そう! この縦の線は火を表しているんだ。古代語でメラメラと燃え上がる様を表して『|』と書くんだよ。そして、水は古代語で『―』と書く。二つを合わせると、火水(神)になる。まあ、シンボルマークを『†』にしている宗教もあるからね。しかし、このままでは神は不安定な存在なんだよ。しっかりと佇んでこそ、存在することができる。だから、土の古代文字『_』を足して『土』をシンボルマークにしている。それが、火土水教だ。だから、あの時君が火を消した時、ヒトミ教のシンボルマークそのものだったんだ。ヒトミ様の介入があってこそなんだよ。」
うーん。話を聞いてもちっともわからない。火を消すとき必然的にあの形になるだろう。
「えっと、風とか雷とか魔とかはどうなるんですか?」
「それは……えっと……司祭様~!」
「ゴニョゴニョ……」
「そっ……そうだ。火と水で陰陽を表していているので、全部含まれているんだ!」
この町長、付け焼き刃の知識だろ……全く意味がわからない。
「えっと……よくわからないですが全ての概念が『土』のシンボルマークに入っているということなんですね。」
「そういうことだ。それで、ヒトミ教の教えであるのだが『ヒトミ様は人の巫女として、その瞳で人の生活を観ていらっしゃる。』つまり、我々の生活を恒に観て下さっているのだ。だから、ヒトミ様は君を使って我々を助けてくれた。」
いやいや、完全にダイチの頑張りだよこれは!
「そっ……そうですか……」
「だから、君もヒトミ教に入ろう!」
「ちょっと、考えさせてください。そんな急に言われてもわけがわからないので。」
「そうか。わかった。困ったことはないか?」
「北の大陸に行きたいのだけど、殆どの船が東に行くものばかりで……」
「おお! そんなことか。手配してやろう! 2時間程待ってくれ。」
「ありがとうございます。」
そして、ノブは急いでどこかへと消えていった。
「ダイチ。よかったね。これで、北の大陸に行けるね。」
「そうだね。これでようやくマリサ復活の手懸かりが掴めるね!」
「二人が嬉しそうで私も嬉しいよ。」
三人で喜んでいた。




