精霊の加護
「兄ちゃん! この町を救ってくれてありがとう。途中で、俺が考えた作戦失敗してしまってごめんな。」
「いや……いいですよ。マスターのおかげですよ。」
「それなんだけど、君のグローブを見せてもらったよ。」
「普通のグローブですよ?」
「そうなんだよ。でも、何故かグラムの刀身の一部が中に組み込まれてるんだよね。」
「えっ?」
僕はグローブを見た。血が乾いて黒くなっている。これは、ミスズ川の時の血か……そして、触ってみると固い板が入っている。
「そう。それが、グラムなんだよ。鋭い形状から何故か板の形状に変わってる。」
「そうですね。板になってますね。」
「そして、これが割れたグラム。この部分だけ無いんだよ。」
「本当ですね。」
「それで、兄ちゃんは天空海闊を使っていただろう? あれはどうして?」
「マスターの『スライムの精霊』って言葉を聞きもしかしたら、僕はカンナと契約してるかもしれない。って思ったからです。使い方は誰にも教えてもらわなかったので、使えなかったのですがマスターが『天空海闊』と叫ぶ姿をみて、自分もその言葉を叫んでみたら使えるかな?って思ったんですよ。」
「精霊との契約者のは意外だな! 初めて見たぞそんな人!」
「俺も、初めてだよ。凄いなダイチくんは。というか、話を割ってすまないけど、貴方様はもしかして『シグル』さんですか?」
ジルバさんがマスターのことを知っているらしい。
「あぁ。いかにも。俺はシグルだ。」
「俺、冒険者になったきっかけがシグルさんだったんです。その魔剣グラムを振る姿はカッコよかったです。」
「あぁ。ありがとう。確かに、このグラムは魔法を吸い取ったり吐き出したりするから、魔剣なんてあだ名がつけられていたなぁ。」
「まさか、精霊の加護だったなんて……。」
「あの……その精霊の加護とは何ですか? 契約とは違うのですか?」
僕は質問をした。
「『精霊の加護』とは、その武器に精霊の力が使えるように加工されたものなんだよ。誰がいつ作ったのか不明だけど、昔そういう能力を持った武器職人が居て、作ったとか言われているけど単なる噂だね。でも、この世界にはいくつか存在している。グラムもそうだったように。『精霊の契約』は、聞いたことがない。ただ、ダイチくんを見ている限りその身体自体が精霊の力を使えるみたいだね。」
ジルバさんが、説明してくれた。
「このグラム、実は俺が親から譲り受けたものなんだ。親は、レギンという友人から貰ったと言っていたかな?」
「レギン……だと……? ドラゴンスレイヤーレギンか!」
「あぁそうだ。俺もその名前を聞いた時はびっくりしたよ。」
「その、ドラゴンスレイヤーレギンとは……?」
「ドラゴンだけを倒していた凄腕のハンターのことさ。その実力が凄くて有名だったんだよ。しかも、人間に化けているドラゴンも見破って倒していな。でも、ある日を境に急に姿を消したんだよ。そういう謎多きハンターだな。」
「そうだったんですね。じゃあ、グラムはそのレギンさんが使っていた剣ってことですね。」
「そうだな。それで、そのグローブにグラムが移動した話になるんだが、恐らくの話になるけどいいか?」




