グラム
ファフニーと対峙してわかった。実力の差が。そもそも人間がこんなドラゴンに勝てはずがないんだ。さっきの尻尾アタックで飛ばされた影響で身体はボロボロ。骨も折れているだろう。まともに走れない。
僕がヨロヨロと逃げていると、そこには最初にグチさんと出会ったバーがあった。
そして、マスターが店の前に立っていた。何か剣を持っている。
「やあ、兄ちゃん! まさかファフニーがドラゴンだったとはな。」
「あっあの……その剣は……?」
「俺の愛剣……グラムさ!」
「どうしてマスターが今それを……?」
「ふふふ……俺も昔はハンターだったんだぜ! この愛剣共によく闘ったよ。まあ、途中で自分の限界が見えて他のハンターと話してる方が楽しくてバーのマスターに再就職して、そのまま老いぼれになったんだけどな。」
「もしかして、マスター闘うの?」
「いや、もう闘える年齢じゃねぇ。だから、兄ちゃん! お前がファフニーの気を引け! 俺はその隙にファフニーをこの剣で突く!」
「でも、ファフニーは魔力シールドがあって……」
「この剣は特殊なんだよ。スライムって魔素を集めるって知ってるか? そのスライムの中でも精霊って呼ばれてる『カンナ』ってスライムが居てそいつの加護を受けている。だから、周りの魔素をいっぱい吸って魔力の弱い者でも高魔力の攻撃ができるのさ。」
カンナ……スライム……精霊……?僕は何か心辺りがあった。
マスターは剣を持ってどこかへ走っていった。
そして、ファフニーがやってきた。
マスターに賭けるしかない! 絶対に時間を稼いでファフニーを倒す!
みなさん、お気付きかもしれませんがダイチくんはカンナに既に会ってます。




