大きな対価
下山途中――
「そういえば、マオ……もうグチさんには魔族であることを隠さなくていいよね」
「うん。そう。マオ、魔族だったんだ。隠しててごめんね。」
「いえいえ、いいっすよ! この時代、魔族ってだけで色々と酷い目にあわされるのでアネゴは今迄通り隠しておいた方がいいっすよ!」
「ありがとう。」
「でさ、もう回復魔法使ってほしいのだけど。マオ使えたよね?」
「……あっ……あぁ……確かに使えたね。」
「アネゴまじっすか! そんなことも出来るんですか? すげー!」
「でもね……使えないんだ……ごめんね?」
「それは僕の修行中の為……?」
「そうい言いたいけど、本当に使えないんだよ。マオもわけがわからないよ。でも、魔法は使えないけどダイチの修行はしてあげられるからね。」
「ちょっと待って。原因がわからないってどういうこと? いつから支えないの?」
「これはダイチに黙っておこうと思ってたけど、この際きちんと言うね。マリサが死んだ時に、マリサの魂をマオの作った精神世界……ほら、夢の中で修行した所だよ――そこに避難させたんだよ。その時は魔法は使えたんだけど、ダイチと一緒に泣いたときはもう魔法が使えなかった。」
「えっ?マリサさんの魂が夢の中に居るの!?」
それは僕にとって朗報だった。しかし、マオが魔法を使えないのなら会えない。
「うん……昨日の夢の中でマリサの声が聞こえてきたよ。ダイチに冒険を薦めたのも実はマリサなんだ……あと、たまにマリサの声が聞こえるような気がする時もあるんだよ。さっき、大きな毒蛙をやっつけた時に水が綺麗になったでしょ? あの時に、マオ達が幻覚を見せられてたってのを見抜いたのもマリサだよ。」
確かに、マオにしては勘が鋭いと思ったけどマリサさんだったんだ。それは納得だ。
「じゃあ、マリサさんの魂と引き換えにマオの魔法が使えないってこと?」
「わからないけど、そうかもしれない。」
「アネゴ、マリサさんって誰っすか?」
「ダイチの恋人だよ。昨日死んだんだ。」
「えっ!? そうだったんすかアニキ! それにしてもアネゴ凄いっすね。自分魔法を犠牲に人の魂を……」
話が煮え切らなかった。でも、マオの魔法が使えないことがわかった。今は、仮説としてマリサさんの魂と引き換えということにした。
そして、そんなことを色々と話し合っていたらあっという間にミスズ町に着いた。辺りは暗くなり始めた。
「おい! グチ達が帰ってきたぞ!」
チャップ、シュウ、メックが駆け寄ってきた。
「ごめんグチ! お前の嫁がアイヒ様に拐われてしまった!」
申し訳ございません。
第51話『衝撃波』を抜かして投稿していました。
ダイチが衝撃波を打った大事なシーンを飛ばしてしまい申し訳ございませんでした。
挿入したのでよければ見てください。よろしくお願いします。




