ミスズの誕生秘話
「精霊…? 何それ? 聞いたことない。」
人間でも魔族でもない存在。精霊。それは初めて聞いた言葉だった。
「うーん。基本的に私は自然現象なんだよ。この山の自然現象が産み出した存在。それが私。だから、生命ですらないんだよ。」
益々意味がわからない。
「マオは聞いたことがある。精霊。でも、どうして魔族じゃないのにオロチの部下になったの?」
「実は、オロチ様が私を作ってくれたのです。
――遠い昔、オロチ様はここ地で暴れていました。魔素も薄いので人間に食べ物を脅し取っていたみたいです。
ある日、一人の少女が生け贄として捧げられました。その時に、タケルというハンターがオロチ様を討伐に来ました。オロチ様は、タケルに負けました。
そして、生け贄は既に死んでいました。実はオロチ様は、これ迄生け贄で30人の少女を殺してきました。殆どが自殺です。オロチ様は殺すつもりがなく今迄たくさんの命を葬ってきました。そして、この場所にお墓を作りそして死んでしまった生け贄を埋葬していました。
新たに犠牲になった少女も、オロチ様は埋葬し自分への罪悪感で泣きました。かなりの年月泣いていたと聞いてます。また、オロチ様に生け贄を捧げた村の人達も墓参りをしていました。すると、オロチ様の涙が川となりました。その川は、村の人達の生活を潤しました。
その後、オロチ様は崇められるようになりました。そして、お供え物もいただくようになりました。すると、オロチ様は『人間から物を貰うのはもうこりごりだ。俺はここを出ていく。その代わりこのお墓を崇めなさい。』と言い残し去っていきました。
そして、人間の信仰がお墓と川に集まりました。すると、奇跡が起こり私が生まれました。三十人の生け贄の精霊ということでミスズと呼ばれるようになりました。」




