ミスズ町の過去
「えっと、アニキってのは…?」
「はいっ!俺をアニキの舎弟にさせてください。」
こんなおっさんにアニキと言われるなんて、なんかいい気分ではない。
「ちょっと、僕はアニキって柄じゃないのでお断りましす。」
「ダイチー面白そうだからいいじゃん」
「アネゴー!!ありがとうございます!」
マオの一言で勝手に舎弟になった。
「アニキ!俺はそろそろ昼休みが終わるので会社に戻りますね。」
グチさんは会社?に向かって走っていった。
僕とマオはバーに戻った。
「お兄さん、やるねぇ!グチさん相手にあの強さは痺れたぜぇ。久しぶりにいいものを見せてもらった。今日は俺の奢りだ!何でも好きなもの注文してくれぇ!」
僕たちはマスターの気遣いに甘えることにした。
「メニューとか有りますか?」
「昔はあったんだけどね、冒険者が来なくなってから、誰も文字読めないものだから今は客の好みのものを何でも作ってるよ。材料さえあれば。」
「じゃあ、カレーって出来ますか?」
「お安いご用ですぜ。お嬢さんは何がいい?」
「マオもダイチと同じので」
そして、昼食をご馳走になった。
「そういえば、昔は冒険者が居たって言ってましたけど、どうして居なくなっちゃったんですか?」
「聞きたいか?」
「はい。是非。」
「わかった。話そう。あれは、30年くらい前のことかな?赤目の獣人って知ってるか?」
「はい。」
「奴らに町を襲われた。当時、まだ赤目の獣人の存在は有名ではなく多くの冒険者がやられたよ。BランクやAランクも居た。更に、今では珍しいけど当時はフリーのハンターもいっぱい居たからね。それらも全部やられた。」
「そんな…」
「そして、ボロボロになった町に一人の少年が現れて、死にそうな人たちを看病してくれたんだよ。なんでも、薬に詳しいらしくてね。色んな薬で俺たちは一命を取り留めた。」
「凄い人だね。」
「その少年は、会社を経営しているらしくここにも支社を建てたいと。そして、ここので職がなくなった人を雇って潤したい。そう言ってくれたんだ。俺らは、その少年の言葉を信じた。」




