VS ゴーダ
僕は、ゴーダ目掛けて走っていった。
ゴーダは余裕の表情を浮かべて、僕が近づいてくると軽くあしらうように、拳をぶつけてくる。その度に僕は、吹っ飛ぶ。
力の差は歴然だ。人間というのはこんなに簡単に吹っ飛ぶものなの?と思うくらい軽々と僕は飛ばされる。
そして、どんどんと血が出る…意識が朦朧としてくる。
「お前さ、このままだと死ぬぞ!
まぁ、俺は別にお前を殺してもいいんだけど。魔族と仲良くしていたスパイをやっつけたって言えば皆信じてくれるだろ?
ははは。楽しくなってきたな。
お前を殺してしまいたいぜ!」
僕は、死ぬのが怖いしこのまま続ければ死ぬことも分かっていた。でも、僕が諦めてしまったら、マオという女の子の一生が奴隷となってしまう。そんなことはさせない。
そう思い僕は地面に転がっていた。
ゴーダが僕の腹を踏む。お腹が痛い。胃液と血が出てくる。
ゴータが僕を蹴る。
もう、全身痛すぎて感覚が麻痺してきた。
「いやぁー!!楽しいな!弱いやつをいたぶるのは。この為に冒険者になったんだからな。最高だぜー!!
おらっ!どうした?もう、起き上がれないのか?
俺が立たせてやるよっ!」
そう言ってゴーダは僕の手を乱暴に引っ張り立たせてきた。右腕の間接が外れたような音がした。
「はははは!!やべぇよ!さっきの音!楽しいねダイチくん!」
そのまま、ゴーダは僕の顔目掛けて拳を振りかぶってきた。
なんだが、ゆっくりに見えた。同時に今迄の思い出も甦る。
これが、走馬灯ってやつか。僕は死ぬんだな。一人の女性も助けることが出来ない冒険者として死ぬんだな…やだな…
そんな時、ふとモモカ先生の授業を思い出した。
「ダイチくん、武道は力だけじゃないんだよ。実際、私は力が弱いけどこのように、ダイチくんを地面へ倒す事ができる。」
〈バタッ!!〉
「これは、相手の力を利用するんだよ。相手がコッチに向かう力の方向をこうやって、下向きに方向転換させる。すると、相手は簡単に倒れる。
ダイチくんは、力が弱いからね。これを覚えておくといいよ」
そうだ。力が強い相手に対しては相手の力を利用する!
僕は、ゴーダの拳をしゃがんで避けた。そのまま、ゴーダの着ている服の脇と袖を掴みそのまま下方向に思いっきり引っ張った。
右腕の間接が外れていたが、ガムシャラにやったら案外腕は動いた。
すると、ゴーダは宙を回転しそのまま地面へ叩きつけられた。
「かった…」
「やるじゃねぇか。ダイチ!
でも、冒険者にとして魔族を解放するわけにはいかないぜ」
「そうだね。ゴーダの言う通りだね。なので、この魔物は僕達が貰ってくね」
「まあ、ダイチは頑張って俺に勝ったから、お前の命は助けてやるよっ!」
「でも、僕達に反抗したから報酬はゼロね」
「じゃあな!」
マオがゴーダとスネスに連れていかれる…




